よむ、つかう、まなぶ。
資料8 権丈構成員提出資料 (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_hosyo/dai10/gijisidai.html |
出典情報 | 全世代型社会保障構築会議(第10回 12/7)《内閣官房》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
年金部会も、医療も介護も、公益委員の意見は、だいたいひとつに纏まっているものです。しか
も、長い歴史の中で、昔から同じ方向を向いている。
ところが、それが、何年経っても実現できないままでいる。
それはなぜかと考えると、政策形成過程というか、公共政策の意思決定プロセスに日本的特徴
があるのではないかと考えることができます。
日本では、ステイクホルダー、利害が違う関係者がみんな参加して、全員一致の報告書をまと
めるという方法が、いろんなところでとられてきている。特に、現業との関わりをもつ厚労省で
はそうした方法がとられている。
その際、60 年代、70 年代時の権力構造、力関係が反映した、公共政策の意思決定システムが
今も受け継がれているように見えます。年金でも医療でもそうですが、利害当事者たちと霞ヶ関
の当該の部局が、役所の人たちの方が受け身の立場で打合せをして、そこでなんとか調整がとれ
た案が、政策として具体化していく。そうした方法では、公益委員達が考える改革は、何年経っ
ても実現できません。できるとしても、亀よりも遅い歩みとなる。
どうもそうした政策形成過程の特徴が、この国の社会保障行政にはあるのではないか。
もしそうならば、構築会議で議論され一定の方向性を得た改革を実現するためには、政策形成
過程を変えないとこれまでの繰り返しになるだけで、ダメなのではないかという、見通しになる。
全世代型社会保障構築会議に総理が出席されたとき、勤労者皆保険をやる、かかりつけ医機能
が発揮できる制度整備を行うと発言されました。これからの課題は、大きく分配問題、つまり誰
かが得すれば誰かが損をするという分配問題に関わる話ですので、従来の政策形成の手順では実
現できないのではないかと思います。つまり、総理の発言は、明言した政策が実現できるように
意思決定システムを変えるようにという指示として、我々は受け止める必要があるのではないか。
民主主義はどのように機能しているのか
出所:権丈(2022)
『もっと気になる社会保障』216 頁
3
も、長い歴史の中で、昔から同じ方向を向いている。
ところが、それが、何年経っても実現できないままでいる。
それはなぜかと考えると、政策形成過程というか、公共政策の意思決定プロセスに日本的特徴
があるのではないかと考えることができます。
日本では、ステイクホルダー、利害が違う関係者がみんな参加して、全員一致の報告書をまと
めるという方法が、いろんなところでとられてきている。特に、現業との関わりをもつ厚労省で
はそうした方法がとられている。
その際、60 年代、70 年代時の権力構造、力関係が反映した、公共政策の意思決定システムが
今も受け継がれているように見えます。年金でも医療でもそうですが、利害当事者たちと霞ヶ関
の当該の部局が、役所の人たちの方が受け身の立場で打合せをして、そこでなんとか調整がとれ
た案が、政策として具体化していく。そうした方法では、公益委員達が考える改革は、何年経っ
ても実現できません。できるとしても、亀よりも遅い歩みとなる。
どうもそうした政策形成過程の特徴が、この国の社会保障行政にはあるのではないか。
もしそうならば、構築会議で議論され一定の方向性を得た改革を実現するためには、政策形成
過程を変えないとこれまでの繰り返しになるだけで、ダメなのではないかという、見通しになる。
全世代型社会保障構築会議に総理が出席されたとき、勤労者皆保険をやる、かかりつけ医機能
が発揮できる制度整備を行うと発言されました。これからの課題は、大きく分配問題、つまり誰
かが得すれば誰かが損をするという分配問題に関わる話ですので、従来の政策形成の手順では実
現できないのではないかと思います。つまり、総理の発言は、明言した政策が実現できるように
意思決定システムを変えるようにという指示として、我々は受け止める必要があるのではないか。
民主主義はどのように機能しているのか
出所:権丈(2022)
『もっと気になる社会保障』216 頁
3