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資 料1-2 出産費用等の見える化に関する意見書 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29685.html
出典情報 社会保障審議会医療保険部会(第160回 12/9)《厚生労働省》
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令和4年 12 月9日

第 160 回社会保障審議会医療保険部会

資料1-2

2022 年 12 月9日

厚生労働省社会保障審議会医療保険部会
部会長
田辺 国昭 殿

出産費用等の見える化に関する意見書
公益社団法人日本産婦人科医会
会長 石渡 勇
日本産婦人科医会(以下、本会)は、産科医療補償制度の創設、周産期医療体制の整備、
安全な無痛分娩研修制度の構築など周産期医療の向上のために会員一同尽力してまいりま
した。現在、わが国の周産期医療のレベルは世界トップです。
本会では、今回厚生労働省からいただいた資料を詳細に検討させていただいた結果、出産
費用の見える化方策と出産費用の見える化の公表イメージの内容について、3つの懸念を
表明させていただきたいと思います。
① 直接支払い制度の専用請求書の内容の抽出公表の問題点
情報公開は行政文書に限るべきであり、個人や私的企業の情報を情報公開の直接対象と
するものではないとする情報公開法の規定に抵触しないか、仮に抵触しない場合であって
も医療機関に個別に十分な説明と了解を得ていただきたいと思います。
そもそも現行の直接支払い制度の専用請求書では、入院基本料の内容が明確に指示さ
れていませんので、部屋の広さ、酸素供給設備の有無、ベッドの規格など、それぞれに設備
が違う施設の算出根拠が異なる金額を抽出し平均を計算して並べるということであり、バ
イアスが極めて大きすぎ、意味のある比較ができないと考えます。
② 金額を一覧化することで起こりうる弊害について
令和 3 年度厚生労働省科学研究費補助金「出産育児一時金(出産費用)に関する研究」
田倉班の報告書によれば、出産場所を選んだ理由の 11 項目のうち、最も高い理由は自宅
からの距離であります。以下、病院の知名度、医療者の対応、病室環境、立ち合い分娩の
有無、医療体制などと続き、今回提示された「出産費用」と「無痛分娩の有無」は、出産
場所を選ぶ理由の中で1番低いものと3番目に低いものに当たります。こうした情報のみ
を公開することは、出産される方のニーズからはずれ、重要な情報をマスクすることにな
ります。厚生労働省科学研究の成果と矛盾します。