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資料3-1 中長期試算を踏まえて(有識者議員提出資料) (1 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/0124/agenda.html
出典情報 経済財政諮問会議(令和5年第2回 1/24)《内閣府》
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資料3-1
中長期試算を踏まえて
2023 年 1 月 24 日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
1.当面の経済財政政策運営
今回の中長期試算では、足元の財政悪化の多くを占めていた給付金をはじめとす
る経済下支えのための支出から脱却し、2024年度には国・地方PB赤字がコロナ禍前
の水準まで改善する姿が示されたが、こうした姿の実現のためには、投資を中心とす
る民需の拡大と多額の赤字国債に依存した補正予算からの脱却が不可欠。
 世界経済減速の中でも、総合経済対策や補正予算、新しい資本主義の実現に向
けた施策の早期かつ効果的な実行を通じて、官が民間の投資を引き出しながら、
民需主導の成長軌道に回復させるべき1。まずは、春季労使交渉での物価上昇を
特に重視した賃金引上げを、持続的・安定的な賃金・物価上昇のきっかけとすべ
き。
 米国や英国はコロナ禍からの正常化を図る過程で、悪化した財政状況を急速に
回復させる見込み2。我が国もコロナ禍から全面的に日常を取り戻そうとしている
ことから、世界経済の下振れリスク等にも留意しつつ、予見性の高い財政運営を
行っていくため、コロナ禍で講じた多額の補正予算について、赤字国債依存を早
期に脱却すべき。
 中長期試算では潜在成長率低下などのリスクシナリオが示されたが、こうしたこと
も含め、マクロ経済政策運営の状況等について、しっかり検証を行っていくべき。
2.経済成長の実現と財政健全化に向けて
今回の成長実現ケースでは、成長力の強化を通じて潜在成長率を引上げ、歳出効
率化努力を継続することで、これまで同様に財政健全化目標が達成される姿が示され
たが、不確実性が高まる中、こうした姿を実現することは容易ではない。財政健全化
目標の実現には、上記1.に加え、以下の取組が必要不可欠であり、今後、中長期の
取組の在り方を、より具体的に議論し、実行していくべき。
(1)経済成長の実現
 潜在成長率を着実に引き上げるため、重点分野の投資を中期的かつ計画的に実
行することで、コロナ禍で停滞した民間投資の流れを、2010年代後半の投資トレ
ンドに戻し引き上げていくことで、資本蓄積と生産性の向上を目指すべき。
1

OECD「Economic Outlook」(2022年11⽉)によれば、2023年の実質成長率見通しは、米国およびユー
ロ圏が0.5%であるのに対し、日本は1.8%。
2 IMF「World Economic Outlook」(2022年10月)によれば、米国の一般政府PB赤字対GDP比は2020年
▲12.4%から2022年▲2.2%まで急速に改善。英国も同様の状況。