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08資料6 新型コロナワクチンに関するこれまでの知見と国立感染症研究所によるサマリーをふまえて今後のワクチン接種を考える上での考察(中野委員提出資料) (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000192554_00026.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第51回 1/26)《厚生労働省》 |
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・感染症への対策として、集団免疫効果という言葉は、使う場合によって少しずつ異なる意
味で使われることもあるが、まず基本的な事項として、病原体を保有しない(排泄しない)
程度の免疫を有する個人が集団の中で占める比率が増えるほど集団免疫効果は高まるとい
うことになる。
・個人がある病原体に免疫を獲得する方法は 2 つである。ひとつは自然に罹患すること、も
うひとつはワクチン接種によって病原体特異的な免疫を獲得することである。
・社会での流行拡大が問題となる感染症に対しては、ワクチンによる予防が大切という基本
的な考え方に変わりはない。ただし、流行の規模、接種後期間を経ての予防効果の減衰、変
異ウイルスの流行による有効率の低下などにより、社会での感染のまん延を防止する効果
が表れにくい場合もある。同様の疾患として、同じく呼吸器感染症であるインフルエンザが
挙げられる。
・そのため、予防のためのワクチンを接種する機会を継続して確保することは、第一に重症
者を減らすこと、次に発病者を減らすことにおいて意義がある。
(2)対象者の特性と接種により得られるメリット
・重症化リスクの高い者は、重症化の予防と発症の予防という 2 つの観点から、第一に接種
の対象とすべきである。
・国立感染症研究所による「新型コロナウイルス感染後の 20 歳未満の死亡例に関する積極
的疫学調査(第二報)2022 年 12 月 28 日」 1 においては、20 歳未満の者においても
2022/1/1~2022/9/30 の期間に新型コロナウイルス感染症にともなう内因死の報告が 50 例
あり、うち 29 例(58%)は基礎疾患の無い者であった。こうした報告を踏まえれば、現状
においては、これら重症化リスクがない方においても、接種の機会を確保したい。
(3)接種の間隔
追跡期間の長いデータは基本的に従来型ワクチンの効果に関するものだが、前回の接種
から 6 か月以上は効果が継続することを念頭に、免疫学の基礎的な知見、流行周期や諸外
国状況、ワクチンの開発状況も踏まえて接種の間隔について検討すべきである。
具体的には、流行周期について、インフルエンザは年に 1 回流行期が認められるが、新型
コロナウイルスは現状、年に複数回流行のピークを認めることに留意が必要である。
なお、これらの考察は、エビデンスの充実により今後見直していくことも求められると考
えられる。特に、長期的な接種を考える上では、リスクとベネフィットの比較衡量が求めら
れることに留意が必要である。
1
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2559-cfeir/11727-20.html
味で使われることもあるが、まず基本的な事項として、病原体を保有しない(排泄しない)
程度の免疫を有する個人が集団の中で占める比率が増えるほど集団免疫効果は高まるとい
うことになる。
・個人がある病原体に免疫を獲得する方法は 2 つである。ひとつは自然に罹患すること、も
うひとつはワクチン接種によって病原体特異的な免疫を獲得することである。
・社会での流行拡大が問題となる感染症に対しては、ワクチンによる予防が大切という基本
的な考え方に変わりはない。ただし、流行の規模、接種後期間を経ての予防効果の減衰、変
異ウイルスの流行による有効率の低下などにより、社会での感染のまん延を防止する効果
が表れにくい場合もある。同様の疾患として、同じく呼吸器感染症であるインフルエンザが
挙げられる。
・そのため、予防のためのワクチンを接種する機会を継続して確保することは、第一に重症
者を減らすこと、次に発病者を減らすことにおいて意義がある。
(2)対象者の特性と接種により得られるメリット
・重症化リスクの高い者は、重症化の予防と発症の予防という 2 つの観点から、第一に接種
の対象とすべきである。
・国立感染症研究所による「新型コロナウイルス感染後の 20 歳未満の死亡例に関する積極
的疫学調査(第二報)2022 年 12 月 28 日」 1 においては、20 歳未満の者においても
2022/1/1~2022/9/30 の期間に新型コロナウイルス感染症にともなう内因死の報告が 50 例
あり、うち 29 例(58%)は基礎疾患の無い者であった。こうした報告を踏まえれば、現状
においては、これら重症化リスクがない方においても、接種の機会を確保したい。
(3)接種の間隔
追跡期間の長いデータは基本的に従来型ワクチンの効果に関するものだが、前回の接種
から 6 か月以上は効果が継続することを念頭に、免疫学の基礎的な知見、流行周期や諸外
国状況、ワクチンの開発状況も踏まえて接種の間隔について検討すべきである。
具体的には、流行周期について、インフルエンザは年に 1 回流行期が認められるが、新型
コロナウイルスは現状、年に複数回流行のピークを認めることに留意が必要である。
なお、これらの考察は、エビデンスの充実により今後見直していくことも求められると考
えられる。特に、長期的な接種を考える上では、リスクとベネフィットの比較衡量が求めら
れることに留意が必要である。
1
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2559-cfeir/11727-20.html