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皆の健康守る医療を維持するために-新型コロナウィルス5類に向けて- (1 ページ)

公開元URL https://ajmc.jp/news/2023/02/03/4625/
出典情報 皆の健康守る医療を維持するために-新型コロナウィルス 5 類に向けて-(2/3)《全国医学部長病院長会議》
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全医・病会議発第229号
令 和 5 年 2 月 3 日
厚生労働大臣
加藤 勝信

殿

一般社団法人 全国医学部長病院長会議
会 長 横手 幸太郎(公印省略)
同 新型コロナウイルス感染症に関わる課題対応委員会
委員長 瀬 戸
泰 之(公印省略)
皆の健康守る医療を維持するために-新型コロナウィルス 5 類に向けて-
新型コロナウィルスの感染症法上の分類が 5 月 8 日、2 類相当から 5 類に変わるこ
とが発表されました。この感染症との闘いも 3 年を超えています。医療の現場におけ
る闘いの特徴は、「とにかく人手、時間、物資、空間を要する」ということです。医
療者が感染者と接する時には完全防護(フル PPE)が必須であり、かつ個室に隔離され
ているため、いったんその部屋にはいった医療者は外にでることはできません。例え
ば、食事の配食、薬剤の準備も外の待機者から受け取ります。治療に際しても、フル
PPE の医療者が数名はいったきりになります。その完全防護も部屋を出入りする都
度脱着しなければなりません。通常診療よりも 3 倍程度人手が必要と考えられていま
す。ゾーニングや隔離のための空間も必要で、通常診療のためのスペースを圧迫しま
す。また、その都度、通常診療よりも時間、医療物資を要することも明らかです。
その病原性も低下していると考えられていますが、一方、余病のある方、ご高齢の
方は重症化するリスクや、病悩期間が長くなってしまうことも知られています。医療
機関に通院、入院される方々はおよそ何らかの疾患をお持ちであり、ご高齢の方も多
くなっています。ですので、医療機関では“ゼロコロナ”を継続しなくてはなりませ
ん。特に大学病院では、免疫抑制状態などのハイリスクの方が数多く診療を受けてお
り、かつ高度な医療を遂行するためにも“ゼロコロナ”を堅持することが重要です。
そのため、病院内にウィルスを持ち込ませない水際対策、院内伝播を防ぐ感染対策は
5 類になっても、これまでと変わることなく行う必要があると考えています。第 7 波
以降では、医療従事者のコロナによる休務者が多くなり、診療にも大きな影響がでま
した。わが国の医療は、人手、医療資源、医療財政すべてギリギリのところで行われ
ています。ウィズコロナの時代になっても、適切な医療を維持するためには、やはり
「人手、時間、物資、空間」は必要です。
5 類になっても大学病院が行う診療提供体制については変わりません。これまで新
型コロナウィルス感染症に対する様々な施策がとられています。その施策(2 類に基
づいた加算、コロナ特例加算、看護配置、病床の確保や一部病床の閉鎖など)が新型
コロナウィルス診療のみならず、通常診療維持にも大きく貢献したと考えています。
皆の健康を守る医療を維持するためにも、そのような施策を継続していただくことを
強く要望します。