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資料3-3-② 西浦先生提出資料 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第116回 2/8)《厚生労働省》
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第116回(令和5年2月8日)
新型コロナウイルス感染症対策
アドバイザリーボード

資料3-3-②

西浦先生提出資料

マスク着用の有効性に関する科学的知見
2023年2月8日
西浦 博、阿南英明、今村顕史、太田圭洋、岡部信彦、小坂 健、押谷 仁、尾身 茂、賀
来満夫、釜萢 敏、河岡義裕、川名明彦、忽那賢志、小林慶一郎、齋藤智也、鈴木 基、館
田一博、田中幹人、谷口清州、中島一敏、中山ひとみ、西田淳志、古瀬祐気、前田秀雄、脇
田隆字
1.はじめに
〇マスクの着用は、会話や咳の際に自分の感染性粒子を飛ばさないようにすること(他者を
感染させないこと)、そして、周囲の感染性粒子を吸い込むことがないこと(自分を感染さ
せないこと)を目的としている。
〇季節性インフルエンザでは有症状者が高い発熱と全身倦怠感を伴う症状のために、2次感
染が起こり得る間は自宅以外で他人に接触することは限られていた。他方、新型コロナウイ
ルス感染症においては、発病前の潜伏期間に2次感染の約半分に相当する感染が起こること
が知られ[1]、また、発病せずに無症状のままでいる者や軽症の感染者から感染が広まりや
すいことが知られている[2]。
〇2020年6月以降、病原性が高いこと、そして、ワクチンの供給前や供給途中の状況で、感
染によって免疫を得た人が少なかったことから、できる限り感染機会を減らすためにマスク
を常に装着することが約2年にわたって推奨されてきた[3]。2022年5月24日に、政府は屋外
のマスクの着用は不要であることを示した[4]。
〇本文書では、日常生活での新型コロナウイルス感染予防におけるマスク着用の有効性に関
する科学的知見をまとめると共に、諸外国におけるマスク着用の呼びかけについて事例を紹
介する。
〇本文書に記された知見は、今後の研究の進展により更新される可能性がある。
2.日常生活でのマスク着用の有効性に関する科学的知見
〇いわゆる一般人口におけるマスク着用に関する78件の研究をメタ解析した結果では、マス
ク着用者の週あたり感染リスクが非着用者の0.84倍(95%信頼区間:0.71-0.99)に低下す
ることが知られている。観察期間を2週にすると、着用者の感染リスクは非着用者の0.76倍
(95%信頼区間:0.66-0.88)に低下すると推定されている[5]。これはマスクを着用するこ
とによって自分が感染しないための効果に相当する。ただし、人口中の着用率が低く感染リ
スクが比較的高い条件下(デンマーク)で実施されたランダム化比較試験では、着用者と非
着用者の間で1か月間の感染リスクの差異は見出せず、自分が感染しないための効果が必ず
しも十分でないとする知見もある[6]。

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