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資料 先-2○先進医療Bの総括報告書に関する評価について(告示番号旧34/jRCTs031180073)(告示番号旧42/jRCTs072200039) (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00055.html
出典情報 先進医療会議(第119回 3/2)《厚生労働省》
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よび治療関連死はみられなかった。最も頻繁に観察された有害事象は、好中球減少症
(Grade4: 12例、Grade2: 1例)と貧血(Grade 3: 2例、Grade1/2: 7例)を含む血液毒
性であった。好中球減少症はいずれもドセタキセル併用療法中に出現し,G-CSF投与によ
って回復した。その他に多く観察された事象として、低アルブミン血症(84.6%)、脱毛
症(76.9%)、および好中球減少症下の粘膜皮膚感染症(69.2%)などがあったが、これ
らの多くは軽度または中等度であり、いずれも試験薬において既知の事象であった。ま
た、トラスツズマブの注意を要する副作用として心障害の報告があることより、適正使
用ガイドに準じ定期的な心エコー、心電図を用いた心機能モニタリングを行ったが、観
察期間内において、投与延期や中止となるようなLVEFの低下はみられなかった。
[総括]
本試験は、標準治療が確立されていない転移性乳房外パジェット病における初めての
前向き試験である。本試験におけるドセタキセルの投与量は、国内外の主要な試験の投
与量および他がん種における承認用量に倣い75mg/m2と設定したが、これまでに単独療法
において60mg/m2の用量での有効性の報告があることなどより、本併用療法のドセタキセ
ル投与量については今後の検討事項と思われる。
本先進医療で、日本人の進行期HER2陽性乳房外パジェット病患者に対するドセタキセ
ル、トラスツズマブ併用投与は、有効かつ安全であることが示された。希少癌である本
疾患においては、進行期症例に対する確立された標準治療や承認薬がないため、これま
では後方視研究や症例報告を頼りに施設ごとに適応外での殺細胞性抗がん剤による治療
が選択されてきた。本先進医療を通じたエビデンスの創出が、国内外の診療ガイドライ
ンへの反映などを経て、将来的に進行期患者における症状の改善や疾患の制御につなが
り、希少癌における診療水準の向上に貢献することが期待される。
2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果
(1) 開催日時:令和5年2月9日(木)16:00~
(第 145 回 先進医療技術審査部会)
(2) 議事概要及び検討結果
慶應義塾大学病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審査部会
で、有効性・安全性等に関する評価が行われ、総評として概要は以下のとおりであ
った。
○本試験の結果から、HER2 陽性の進行期乳房外パジェット病に対するドセタキ
セル、トラスツズマブ併用療法の一定の有効性は示され、安全性に関しても
重篤な有害事象の発現はあるものの、有害事象の観察や管理、適切な休薬や
減量等がなされるのであれば、忍容可能と判断した。
○本試験の対象が希少疾患であることを踏まえると、本試験で得られたデータ
は意義があると考える。本試験での症例数は少ないことから、適切な承認条
件を付すことにより、市販後の安全性を確認できる場合には添付資料の一つ
になりうると考える。
当該技術の総括報告書を了承し、先進医療会議に報告することとした。
(本会議での評価結果)
第 145 回先進医療技術審査部会 資料1-1参照
(評価技術の概要)
第 143 回先進医療技術審査部会 資料1-3参照

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