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資料 先-3○先進医療Bの総括報告書に関する評価について(告示番号旧34/jRCTs031180073)(告示番号旧42/jRCTs072200039) (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00055.html
出典情報 先進医療会議(第119回 3/2)《厚生労働省》
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なく、TSC-AML に対する局所療法として有効な治療法になり得ると考えられた。
[安全性の評価結果]
有害事象は15例全例で報告され、計79件であった。因果関係ありの有害事象は14例に
63件報告された。Grade3の有害事象が3例に3件(AST上昇、血尿、慢性腎臓病)報告され
た。AST上昇、血尿は加療することなく自然軽快した。慢性腎臓病は、合併症に慢性腎臓
病とIgA腎症があった症例で、ベースラインのeGFRは30.8 mL/min/1.73m2と腎機能が低下
しておりもともとGrade 2であった。9ヶ月後のeGFRは26.7 mL/min/1.73m2と若干低下が
みられたためGrade3として報告された。重篤な有害事象は認めなかった。
[総括]
TSC-AMLには適応となっていない凍結療法の有効性、安全性を証明するために本研究を
行った。希少疾患であるため15例と症例数は少ないものの、DCR=100%、ORR=93.3%と良好
で期待通りの結果であった。また、今回の腎機能低下に関しては、Gradeが1段階上昇し
た症例が15例中3例(20%)に認めているが、頻度としては許容範囲であると考えている。
現在のところ、TSC-AMLに対して繰り返し行える局所療法はない。本研究によりTSC–AML
に対する凍結療法の有効性を示し、安全性でも特記すべき事象は報告されなかったため、
今後はTSC–AMLに対する治療選択肢の一つになると考えられる。また、TSC-AMLに対して
エベロリムス内服を行っている患者は多いが、凍結療法を組み合わせることによりエベ
ロリムス内服を中断できる可能性を示すことが出来たため、エベロリムス内服にかかる
医療費の削減が期待できる。
2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果
(1) 開催日時:令和5年2月9日(木)16:00~
(第 145 回 先進医療技術審査部会)
(2) 議事概要及び検討結果
九州大学病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審査部会で、
有効性・安全性等に関する評価が行われ、総評として概要は以下のとおりであった。
○標的病変の縮小率は(単純比較はできないものの)、既存治療と比べて良好で
あった。しかしながら、平均年齢 34.0 歳のコホートにおいて術後 9 ヶ月時点
で平均 9.5 mL/min/1.73m2 の eGFR 低下が確認されている。現在、結節性硬化
症に伴う腎血管筋脂肪腫の予防的動脈塞栓術は、一般的に 4cm 以上の腫瘤の
場合あるいは 5mm 以上の動脈瘤がある場合に推奨されている(結節性硬化症
に伴う腎血管筋脂肪腫診療ガイドライン 2016 年版 CQ12)。本研究は現在のガ
イドライン推奨よりも初期の腎血管筋脂肪腫 (1-4cm) に対する介入試験で
あった。標的病変の縮小率が良好であることから、研究計画書の「予想され
る利益」に記載されている「腎血管筋脂肪腫増大による症状発現の防止」が
期待できると考えられる一方、ある程度の腎機能喪失が確認されたことから、
「末期腎不全に進行するまでの期間を延長させる」とは予想できなかった。
研究計画書の「本研究の意義」に記載されている「繰り返し施行可能な局所
療法としての位置づけ」に関して、本研究が「繰り返し施行」の介入を含ん
でいないため効果と安全性の評価が困難である。標的病変の病勢コントロー
ル率から新規病変への効果は期待できるかも知れないが、更なる腎機能喪失
が蓄積されていくことも予想される。
○本研究においては TSC に伴う小径腎血管筋脂肪腫へ凍結療法による介入が行
われ、主要評価項目である標的病変の病勢コントロール率 100%が達成されて
いる。腫瘍縮小に効果が認められた一方、副次評価項目の有効性評価基準に

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