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資料 先-1○先進医療Bの総括報告書に関する評価について(告示番号旧9/ UMIN000020398) (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00057.html |
出典情報 | 先進医療会議(第121回 5/11)《厚生労働省》 |
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医療技術の試験結果:
[有効性の評価結果]
FAS 解析対象である 4 例において、主要評価項目である十分な骨再生が得られた部位
の割合は、部位数・割合[95%信頼区間、以下同様]は、間葉系細胞群 14/17 部位・82.4%
[56.6%, 96.2%]及び対照群 10/11・90.9%[58.7%, 99.8%]であった。主要解析である
割合の差については、-8.6%[-35.1%, 18.0%]であった。なお、目標症例数・目標部位
数に到達しておらず、統計解析についても十分な精度が担保されていないことから、非
劣性検証に係る判断は困難であると考えた。
十分な骨再生が得られた部位の割合(主要評価項目)について、3 つの割付因子(骨
再生予定部位数、術式、骨再生予定部位)を調整した下でのロジスティック回帰分析を
計画していたが、被験者数が 4 名に留まり、術式は全症例「上顎洞底挙上術以外」で同
じであったため、当該ロジスティック回帰分析は実施できなかった。また、骨再生予定
部位数、骨再生予定部位を投入したモデルではデータ不足によりパラメータの推定がで
きなかった。このため、参考として、骨再生予定部位数、骨再生予定部位を各々投入し
たモデルで解析を実施した。なお、解析対象集団が PPS ではいずれも収束しなかった。
[安全性の評価結果]
安全性解析対象である本研究で組み入れられた4例(対照群1例及び間葉系細胞群3例)
において、試験期間中に被験者に生じた死亡は認められなかった。
重篤な有害事象は間葉系細胞群1例に2件認められ、認められた事象は、医療機器使用
部位感染及び組織学的検査異常であり、組織学的検査異常は試験製剤との因果関係が否
定できないと判断された。間葉系細胞を含む試験製剤を移植後、移植物の保護、形態付
与を目的としたメッシュ、それを固定していたスクリューが露出するようになってきた
ため、移植してから約11ヵ月後にメッシュおよびスクリューを除去した。その際に新生
骨でない病変が認められた。病理組織学的検査及び画像検査では、病変は良性病変との
診断であり、変性した移植物である可能性が強く疑われたが、明らかな原疾患の再発の
可能性も否定できなかった。移植物を除去後約1年経過後(移植後2年)で、画像検査を
したが、明らかな異常所見は認められていない。また、保存していた骨髄由来間葉系細
胞を継代培養したものの(9継代)、市販の骨髄由来間葉系細胞に比べ、増殖能に差は認
められず、特異な形態変化は認められなかった。
また、有害事象は間葉系細胞群3例及び対照群1例、全例に認められ、2例以上に認めら
れた有害事象としては、術後創合併症が間葉系細胞群2例及び対照群で1例、処置による
疼痛が間葉系細胞群で2例及び対照群で1例であった。試験製剤との因果関係が否定でき
ない有害事象(副作用)は、間葉系細胞群に認められた組織学的検査異常の1例・1件の
みであった。さらに、口腔内感染に関連する有害事象は間葉系細胞群の1例に認められた。
その他、臨床検査値に問題となる事象は認められなかった。
[総括]
本研究では、目標とする症例数を組み入れることはできなかったため、「顎顔面外傷、
顎骨腫瘍や嚢胞摘出術等による顎骨欠損を有する患者」に対する自己骨髄由来間葉系幹
細胞(MSCs)から分化誘導された骨髄由来間葉系細胞を用いた骨再生医療の有効性と安
全性を検討することはできなかった。
少数例の検討であるため、有効性及び安全性について十分な議論はできないものの、
間葉系細胞群で明らかな骨再生の向上も認められていないため、欠損体積が大きい場合
に必要となる細胞数が少ない可能性も示唆された。また、移植物による可能性のある病
変も認められたため、本試験製剤の開発を改めて慎重に検討する必要があると考えた。
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[有効性の評価結果]
FAS 解析対象である 4 例において、主要評価項目である十分な骨再生が得られた部位
の割合は、部位数・割合[95%信頼区間、以下同様]は、間葉系細胞群 14/17 部位・82.4%
[56.6%, 96.2%]及び対照群 10/11・90.9%[58.7%, 99.8%]であった。主要解析である
割合の差については、-8.6%[-35.1%, 18.0%]であった。なお、目標症例数・目標部位
数に到達しておらず、統計解析についても十分な精度が担保されていないことから、非
劣性検証に係る判断は困難であると考えた。
十分な骨再生が得られた部位の割合(主要評価項目)について、3 つの割付因子(骨
再生予定部位数、術式、骨再生予定部位)を調整した下でのロジスティック回帰分析を
計画していたが、被験者数が 4 名に留まり、術式は全症例「上顎洞底挙上術以外」で同
じであったため、当該ロジスティック回帰分析は実施できなかった。また、骨再生予定
部位数、骨再生予定部位を投入したモデルではデータ不足によりパラメータの推定がで
きなかった。このため、参考として、骨再生予定部位数、骨再生予定部位を各々投入し
たモデルで解析を実施した。なお、解析対象集団が PPS ではいずれも収束しなかった。
[安全性の評価結果]
安全性解析対象である本研究で組み入れられた4例(対照群1例及び間葉系細胞群3例)
において、試験期間中に被験者に生じた死亡は認められなかった。
重篤な有害事象は間葉系細胞群1例に2件認められ、認められた事象は、医療機器使用
部位感染及び組織学的検査異常であり、組織学的検査異常は試験製剤との因果関係が否
定できないと判断された。間葉系細胞を含む試験製剤を移植後、移植物の保護、形態付
与を目的としたメッシュ、それを固定していたスクリューが露出するようになってきた
ため、移植してから約11ヵ月後にメッシュおよびスクリューを除去した。その際に新生
骨でない病変が認められた。病理組織学的検査及び画像検査では、病変は良性病変との
診断であり、変性した移植物である可能性が強く疑われたが、明らかな原疾患の再発の
可能性も否定できなかった。移植物を除去後約1年経過後(移植後2年)で、画像検査を
したが、明らかな異常所見は認められていない。また、保存していた骨髄由来間葉系細
胞を継代培養したものの(9継代)、市販の骨髄由来間葉系細胞に比べ、増殖能に差は認
められず、特異な形態変化は認められなかった。
また、有害事象は間葉系細胞群3例及び対照群1例、全例に認められ、2例以上に認めら
れた有害事象としては、術後創合併症が間葉系細胞群2例及び対照群で1例、処置による
疼痛が間葉系細胞群で2例及び対照群で1例であった。試験製剤との因果関係が否定でき
ない有害事象(副作用)は、間葉系細胞群に認められた組織学的検査異常の1例・1件の
みであった。さらに、口腔内感染に関連する有害事象は間葉系細胞群の1例に認められた。
その他、臨床検査値に問題となる事象は認められなかった。
[総括]
本研究では、目標とする症例数を組み入れることはできなかったため、「顎顔面外傷、
顎骨腫瘍や嚢胞摘出術等による顎骨欠損を有する患者」に対する自己骨髄由来間葉系幹
細胞(MSCs)から分化誘導された骨髄由来間葉系細胞を用いた骨再生医療の有効性と安
全性を検討することはできなかった。
少数例の検討であるため、有効性及び安全性について十分な議論はできないものの、
間葉系細胞群で明らかな骨再生の向上も認められていないため、欠損体積が大きい場合
に必要となる細胞数が少ない可能性も示唆された。また、移植物による可能性のある病
変も認められたため、本試験製剤の開発を改めて慎重に検討する必要があると考えた。
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