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概要 (2 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20230529/zaiseia20230529.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史的転機における財政(5/29)《財務省》
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基本認識等

歴史的転機における財政
(令和5年5月 財政制度等審議会)

○ 歴史的な転機ともなりうる場面であり、地球環境問題、国際平和秩序への挑戦、格差の固定化・拡大等が問題視されて
いる。グローバルな経済・金融環境も急速に変化。我が国は、経済の成⾧力の低下、少子高齢化の一層の深刻化、人口
減少下における地域社会の問題といった課題を抱えている。安全保障上の有事、震災、感染症等の危機への備えも必要。
平時こそ財政を健全化し財政余力を確保することが不可欠。コロナ対策により一層低下した財政余力の回復が急務。
○ コロナ禍を克服して平時に移行した後も、山積する諸課題への的確な対応が必要。一定の財政支出の拡大も必要となりう
るが、その場合でも真に必要な支出に絞り込み、また財源を適切に確保することが必要。
○ グローバルな経済・金融環境が激変する中、我が国でも潮目は変化。財政に対する信認の低下が市場の攪乱要因となら
ないよう、これまで以上に注意が必要。
○ これまで、拡張的な財政スタンスが成⾧力の強化につながってきたとは言い難く、財政支出は、単に需要喚起のために行う
のではなく、必要性と有効性を見極めてターゲットを絞るべき。規制改革等と相まって社会課題の解決に向けた道筋を示し、
民間の活力を引き出すことで、日本経済の成⾧力強化につなげることが重要。
○ 少子化対策の成否は、中⾧期的な日本経済の成⾧力や財政・社会保障の持続可能性に大きく影響する、国家の命運
を左右する取組であり、真に効果的な対応が求められる。恒久的な施策には恒久的・安定的な財源の確保が必要。少子
化対策の財源負担をこれから生まれるこどもたちの世代に先送りすることは本末転倒。全世代型社会保障の考え方に立ち、医
療・介護など社会保障分野の歳出改革を断行するとともに、企業を含め、社会・経済の参加者全員が公平な立場で広く負担
する新たな枠組みを検討することが必要。歳出・歳入両面で、幅広い観点から検討を深めていくべき。
○ 少子化対策の効果が顕在化するには時間を要するため、当面、人口減少の進行を前提とした持続可能な地域社会・行
財政の在り方のデザインも不可欠。偏在性が小さい地方税体系の構築、社会インフラの維持管理や行政サービスの質向上に
向けた多角的な検討が必要。
○ グランドデザインに基づき全体を俯瞰するアプローチが有効であり、その上でスクラップ・アンド・ビルドの考え方を徹底し、優先
度の高い政策に対して財政資金を重点投入するとともに、効果の低い既存予算の廃止・縮減を図るべき。全体最適の視点を
持って、社会課題の解決、成⾧力強化、財政健全化の同時実現を追求していくことが必要。
○ 歴史的転機とも言える今、より良い経済社会を将来世代に残していくため、真摯な議論と実践が求められる。