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資 料 1-1 感染症定期報告(研究報告概要一覧表及び個別症例報告概要) (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33434.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会運営委員会(令和5年度第1回 6/9)《厚生労働省》 |
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番号
詳細版
ページ
○新型コロナウイルスに感染した発症前の供血者血漿から
SARS-CoV-2 RNAは頻繁に検出されるが感染性はない
インフルエンザなどの呼吸器系ウイルスは通常ウイルス血症とは
ならないが、SARS-CoV-2は軽症から重症のCOVID-19患者の血
液中から検出されている。ただし、検出された血中ウイルスの病原
性については明確にされていない。供血後にCOVID-19の症状を
発症した、又はCOVID-19と診断された旨の情報を供血後情報とし
て報告した供血者の動向は、一般集団におけるCOVID-19死亡率
の上昇に先行又は一致していた。COVID-19関連の供血後情報を
J Clin Invest.
SARS報告した供血者2,250名の血漿検体についてSARS-CoV-2 RNAを
132(17)(2022)e1
CoV-2RNA
検査した。RNA血症の検出率は、2020年後期から2021年初期に
59876
供血後情報報告者の9%~15%とピークに達し、国民への広範囲
なワクチン接種開始後は約4%に低下した。RNA血症の供血者
は、RNA血症が認められないがウイルスに感染している供血者と
比較して、咳や息切れを訴える割合が1.2~1.4倍、味覚や嗅覚の
変化を訴える割合が1.8倍であった。レセプター遺伝子を導入して
作成したウイルス感受性細胞株及びウイルス感受性マウスを用い
て評価したところ、RNA血症供血者の血漿から感染性ウイルスは
検出されなかった。以上の結果より、輸血によるSARS-CoV-2感
染は極めて起こりにくいと考えられる。
3
23
○中国の発熱患者で見いだされた人獣共通ヘニパウイルス
へニパウイルスに属するヘンドラウイルスとニパウイルスは人獣
共通感染ウイルスであり、ヒトに感染して致命的な疾患を引き起こ
すことが知られているが、コウモリ、げっ歯類、トガリネズミからは
他の近縁種のヘニパウイルスが検出されている。中国東部におい
て動物と接触後間もなく発熱した患者について調査したところ、患
者1名の咽頭スワブ検体のメタゲノム解析から新たなヘニパウイ
ルスが同定され、Langyaウイルス(LayV)と命名された。このウイ
The New
ルスはゲノムサイズが約18.4kbであり、中国南部で見つかった
England Journal Mojiang henipavirusと系統的に近縁である。その後の調査で、中
ウイルス感
of Medicine.
国の山東省と河南省で35名の急性LayV感染症患者が確認され、
染
387(2022)470- このうち26名からはLayV以外の病原体は検出されなかった。患者
472
の主な症状は発熱、倦怠感、咳等であった。家畜の血清学的調査
では、ヤギ(168頭中3頭、2%)とイヌ(79頭中4頭、5%)に陽性反
応を認めた。また、25種の野生小動物のうちトガリネズミ(262匹中
71匹、27%)からLayV RNAが多く検出されたことから、トガリネズミ
が自然宿主である可能性が示唆された。ニパウイルスはヒトから
ヒトへの感染が報告されているが、今回の調査ではサンプル数が
少なく、LayVのヒト-ヒト感染の状況を判断することはできなかっ
た。この新たなウイルスは発熱性疾患と関連しており、ヒトの疾患
との関連性についてさらなる調査を行う必要がある。
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36
感染症
出典
概要
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詳細版
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○新型コロナウイルスに感染した発症前の供血者血漿から
SARS-CoV-2 RNAは頻繁に検出されるが感染性はない
インフルエンザなどの呼吸器系ウイルスは通常ウイルス血症とは
ならないが、SARS-CoV-2は軽症から重症のCOVID-19患者の血
液中から検出されている。ただし、検出された血中ウイルスの病原
性については明確にされていない。供血後にCOVID-19の症状を
発症した、又はCOVID-19と診断された旨の情報を供血後情報とし
て報告した供血者の動向は、一般集団におけるCOVID-19死亡率
の上昇に先行又は一致していた。COVID-19関連の供血後情報を
J Clin Invest.
SARS報告した供血者2,250名の血漿検体についてSARS-CoV-2 RNAを
132(17)(2022)e1
CoV-2RNA
検査した。RNA血症の検出率は、2020年後期から2021年初期に
59876
供血後情報報告者の9%~15%とピークに達し、国民への広範囲
なワクチン接種開始後は約4%に低下した。RNA血症の供血者
は、RNA血症が認められないがウイルスに感染している供血者と
比較して、咳や息切れを訴える割合が1.2~1.4倍、味覚や嗅覚の
変化を訴える割合が1.8倍であった。レセプター遺伝子を導入して
作成したウイルス感受性細胞株及びウイルス感受性マウスを用い
て評価したところ、RNA血症供血者の血漿から感染性ウイルスは
検出されなかった。以上の結果より、輸血によるSARS-CoV-2感
染は極めて起こりにくいと考えられる。
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○中国の発熱患者で見いだされた人獣共通ヘニパウイルス
へニパウイルスに属するヘンドラウイルスとニパウイルスは人獣
共通感染ウイルスであり、ヒトに感染して致命的な疾患を引き起こ
すことが知られているが、コウモリ、げっ歯類、トガリネズミからは
他の近縁種のヘニパウイルスが検出されている。中国東部におい
て動物と接触後間もなく発熱した患者について調査したところ、患
者1名の咽頭スワブ検体のメタゲノム解析から新たなヘニパウイ
ルスが同定され、Langyaウイルス(LayV)と命名された。このウイ
The New
ルスはゲノムサイズが約18.4kbであり、中国南部で見つかった
England Journal Mojiang henipavirusと系統的に近縁である。その後の調査で、中
ウイルス感
of Medicine.
国の山東省と河南省で35名の急性LayV感染症患者が確認され、
染
387(2022)470- このうち26名からはLayV以外の病原体は検出されなかった。患者
472
の主な症状は発熱、倦怠感、咳等であった。家畜の血清学的調査
では、ヤギ(168頭中3頭、2%)とイヌ(79頭中4頭、5%)に陽性反
応を認めた。また、25種の野生小動物のうちトガリネズミ(262匹中
71匹、27%)からLayV RNAが多く検出されたことから、トガリネズミ
が自然宿主である可能性が示唆された。ニパウイルスはヒトから
ヒトへの感染が報告されているが、今回の調査ではサンプル数が
少なく、LayVのヒト-ヒト感染の状況を判断することはできなかっ
た。この新たなウイルスは発熱性疾患と関連しており、ヒトの疾患
との関連性についてさらなる調査を行う必要がある。
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