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○【先進医療会議】先進医療Bの総括報告書に関する評価について 先-3 (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00042.html |
出典情報 | 先進医療会議(第108回先進医療会議、第129回先進医療技術審査部会 3/3)《厚生労働省》 |
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令和4年2月 10 日
「ヒドロキシクロロキン療法(告示旧32)」の総括報告書に関する評価について
先進医療技術審査部会
座長 山口
俊晴
慶應義塾大学病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審査部会で
評価を行い、その結果を以下のとおりとりまとめたので報告いたします。
1.先進医療の概要及び申請医療機関からの報告の概要
先進医療の名称:
ヒドロキシクロロキン療法
適応症等:
関節リウマチ(既存の合成抗リウマチ薬による治療でDAS28が二・六未満を達成で
きないものに限る。)
医療技術の概要:
関節リウマチは破壊性関節炎を特徴とする自己免疫疾患である。現在の治療目標は寛
解であるが、抗リウマチ薬治療でも約30%は寛解を達成することができず、また、有効性
の高い薬剤は高額で経済的な理由から使用できず寛解に至らない患者も多い。本先進医
療技術は、抗リウマチ薬抵抗性の関節リウマチ患者を対象として、24週間ヒドロキシク
ロロキン(HCQ) 200-400mg/日を内服する治療法であり、既存レジストリから傾向スコ
アマッチングによって抽出されたヒストリカルコントロール群と比較検討し、有効性と
安全性を検証する。
主要評価項目:24週時ACR20 改善率
副次評価項目:
1)4・8・12・24週時疾患活動性のカテゴリの一段階以上改善する達成率、
2)4・8・12・24週時低疾患活動性(DAS28≤3.2)達成率、
3)4・8・12・24週時臨床的寛解(DAS28<2.6)達成率、
4)4・8・12・24週時機能的寛解(HAQ≤0.5)達成率、
5)24週時modified total Sharp Score法による構造的寛解(ΔmTSS≤0.5)達成率、
6)4・8・12週時ACR20および4・8・12・24週時ACR20/50/70達成率
臨床研究登録ID : jRCTs031180050
医療技術の試験結果:
[有効性の評価結果]
本臨床試験に登録された60例(HCQ群)、及び外部対照となる既存レジストリに登録さ
れた1649例から抽出されたマッチング候補276例より、傾向スコアマッチングで、HCQ群
およびヒストリカルコントール群各46例を抽出して比較した。24週時ACR20 改善率は、
HCQ群で54.4%(25 /46例、95%CI 39.0-69.1%)、ヒストリカルコントロール群で28.3%
(13/46例、95%CI 16.0-43.5%)で、群間差 26.1% [95%CI 8.6-43.6%]、P=0.007(McNemar
検定)と、HCQ投与群で統計学的有意に高かった。なお、登録されHCQが投与開始されたHCQ
群全60例での24週時ACR20 改善率は45.0%(27/60例。ただし欠測の場合はnon-responder
として集計)であった。
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「ヒドロキシクロロキン療法(告示旧32)」の総括報告書に関する評価について
先進医療技術審査部会
座長 山口
俊晴
慶應義塾大学病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審査部会で
評価を行い、その結果を以下のとおりとりまとめたので報告いたします。
1.先進医療の概要及び申請医療機関からの報告の概要
先進医療の名称:
ヒドロキシクロロキン療法
適応症等:
関節リウマチ(既存の合成抗リウマチ薬による治療でDAS28が二・六未満を達成で
きないものに限る。)
医療技術の概要:
関節リウマチは破壊性関節炎を特徴とする自己免疫疾患である。現在の治療目標は寛
解であるが、抗リウマチ薬治療でも約30%は寛解を達成することができず、また、有効性
の高い薬剤は高額で経済的な理由から使用できず寛解に至らない患者も多い。本先進医
療技術は、抗リウマチ薬抵抗性の関節リウマチ患者を対象として、24週間ヒドロキシク
ロロキン(HCQ) 200-400mg/日を内服する治療法であり、既存レジストリから傾向スコ
アマッチングによって抽出されたヒストリカルコントロール群と比較検討し、有効性と
安全性を検証する。
主要評価項目:24週時ACR20 改善率
副次評価項目:
1)4・8・12・24週時疾患活動性のカテゴリの一段階以上改善する達成率、
2)4・8・12・24週時低疾患活動性(DAS28≤3.2)達成率、
3)4・8・12・24週時臨床的寛解(DAS28<2.6)達成率、
4)4・8・12・24週時機能的寛解(HAQ≤0.5)達成率、
5)24週時modified total Sharp Score法による構造的寛解(ΔmTSS≤0.5)達成率、
6)4・8・12週時ACR20および4・8・12・24週時ACR20/50/70達成率
臨床研究登録ID : jRCTs031180050
医療技術の試験結果:
[有効性の評価結果]
本臨床試験に登録された60例(HCQ群)、及び外部対照となる既存レジストリに登録さ
れた1649例から抽出されたマッチング候補276例より、傾向スコアマッチングで、HCQ群
およびヒストリカルコントール群各46例を抽出して比較した。24週時ACR20 改善率は、
HCQ群で54.4%(25 /46例、95%CI 39.0-69.1%)、ヒストリカルコントロール群で28.3%
(13/46例、95%CI 16.0-43.5%)で、群間差 26.1% [95%CI 8.6-43.6%]、P=0.007(McNemar
検定)と、HCQ投与群で統計学的有意に高かった。なお、登録されHCQが投与開始されたHCQ
群全60例での24週時ACR20 改善率は45.0%(27/60例。ただし欠測の場合はnon-responder
として集計)であった。
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