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○【先進医療会議】先進医療Bの総括報告書に関する評価について 先-3 (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00042.html
出典情報 先進医療会議(第108回先進医療会議、第129回先進医療技術審査部会 3/3)《厚生労働省》
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[安全性の評価結果]
試験薬内服開始後の有害事象は、60例中36例(60%、95%CI 46.5-72.4)に59件認められ
た。最多は感染症および寄生虫症で60例中15例(25%、95%CI 14.7-37.9)に21件認められ
た。うち11件はウイルス性上気道炎、1件がインフルエンザウイルスA感染症、3件が細菌
性肺炎でいずれも非重篤で、外来加療で軽快した。その他感染症としては泌尿器感染症
を2件、皮膚感染症を4件認めたがいずれも外来加療で軽快した。次に多いのが胃腸障害
で12件認められ、下痢4件のうち2件は本人希望でHCQ内服中止となった。筋骨格系および
結合組織障害9件のうち2件は原病の増悪で、HCQ効果不十分の判断で試験を中止し、他治
療へ切り替えられた。眼障害は3件で、うち内服終了後の白内障手術1件は予定手術が短
期入院で行われたため、因果関係なしの重篤判定となった。クロロキン網膜症の発生は
認めなかった。皮膚および皮下組織障障害は3件で、うち薬疹2件は投与中止となった。
神経系障害は2件で、うち1件は内服終了後の右頭頂葉皮質下出血が因果関係なしの重篤
判定となった。他に、呼吸器胸郭および縦隔障害、耳および迷路障害、代謝および栄養
障害を各2件、腎および尿路障害、血液およびリンパ系障害、良性、悪性および詳細不明
の新生物を各1件認めた。
重篤な有害事象は上記白内障予定手術および右頭頂葉皮質下出血が認められたが、因
果関係なしと判定された。安全性解析対象ではないが、試験薬開始前に鼻出血(軽快後HCQ
投与施行)および脳梗塞(HCQ投与せず同意撤回)を各1件認め、同意取得後のため重篤有害
事象として報告されたが、いずれも試験薬および試験手順と因果関係なしと判定された。
有害事象または効果不十分による中止は60例中7例(11.7%、95%CI 2.8-22.6)で、上記
の下痢2件(因果関係あり)、薬疹2件(因果関係あり)、原病増悪2件(因果関係なし)の他、
振戦1件(因果関係否定できず)が認められた。
[総括]
抗リウマチ薬抵抗性関節リウマチ患者におけるHCQ治療は、ヒストリカルコントロール
集団よりも有効性が高く、新たな安全性上懸念される事象は認められなかった。

2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果
(1) 開催日時:令和4年2月 10 日(木)16:00~
(第 128 回 先進医療技術審査部会)
(2) 議事概要及び検討結果
慶應義塾大学病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審査部会
で、有効性・安全性等に関する評価が行われ、総評として概要以下のとおりであっ
た。
○ 盲検化されずヒストリカルコントロールを用いた研究ではあるが、臨床的
な有効性が示唆され、安全性についても既知の副作用以外には大きな問題を
認めなかったことから、従来の治療に抵抗性を示した患者に対する一定の有
用性が示されたものと評価する
○ すでに欧米で承認され、ガイドラインにも記載されている治療法であり、
医療経済的にもかなりのメリットが想定されることから、薬事承認に向けて
公知申請の資料として一定の価値を有するものと考える
当該技術の総括報告書を了承し、先進医療会議に報告することとした。

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