（３）これまでの議論の中で
・過去の拠点病院等の指定検討会においては、2017 年の第 12 回検討会の中で、当時、免疫療法
の自由診療を行っていた病院の新規指定が結果的に認められなかった例があります。
・また、関連検討会として、2021 年 10 月の第 13 回がん診療提供体制のあり方に関する検討会
では、金沢先進医学センターを具体的に取り上げ、整備指針を遵守していない可能性のある医
療機関が調査やペナルティーを受けることなく拠点病院の看板を掲げられていることを問題
視する指摘が患者側構成員から為されています。
・加えて、2021 年 11 月の第 7 回がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググル
ープ検討会においても、拠点病院からの情報提供を患者・家族は盲目的に信じてしまいがちで
あり、場合によっては最善の選択を妨げられる可能性さえある、とする指摘が患者側構成員よ
り為されています。
・厚生労働省の各種検討会での患者側構成員の発言を踏まえ、今回、本指定検討会の構成員とし
て本件の問題提起を行わなければならないとの思いに至りました。
３

妥当な措置と今後のあり方に関する要望

（１）患者・家族の総合的便益を踏まえた妥当な措置について
・2 に記載の「要望の背景」から、患者視点で見た場合、金沢大学附属病院に関しては都道府県
拠点病院としての指定要件の充足に大きな疑義があると考えます。
・しかしながら、今回の指摘事項をもとに都道府県拠点病院の指定を即時取消とすることは、地
域の患者・家族の必要以上の不安や混乱を招きかねないことから、求めるものではありません。
・この点を踏まえ、今回、金沢大学附属病院に対しては、1 に記載の通り、今回は是正措置に関
する「勧告」を行うことを要望いたします。
（２）今後のあり方に関する要望
・一方、今回の指定検討会において「勧告」を行うか否かの結論に関わらず、同様の事例が発生
しないように指定要件を見直すことは、患者・家族の視点としても大変重要と考えます。
・現在行われている指定要件ワーキンググループの議論の中で、今後の指定要件の見直しに際し
ても以下の観点を盛込んで頂きますよう、併せて要望いたします。
☆必要な観点
がん対策基本法の基本理念に定める「がん患者がその居住する地域にかかわらず等しく科学
的知見に基づく適切ながんに係る医療を受けることができるようにすること」に基づき、保
険適応外の免疫療法を提供する場合に関する拠点病院の指定要件は、他の医療機関の紹介
や同一敷地内の別機関の実施等についても当該医療機関の診療体制に含めるようにするこ
と。
以 上