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資料3-6 前田先生提出資料 (54 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00333.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第74回 3/2)《厚生労働省》
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オミクロン株の流行下における感染者の重症化リスクの分析結果に基づく、
陽性者対応のさらなる重点化に関する提案
令和 4 年 3 月 2 日
前田、脇田、尾身
オミクロン株の流行はそれ以前の流行と比較すると、
感染拡大の速度が格段に速く、
感染の規模が大きい。また、若年者で重症化リスクのない陽性者は無症状あるいは軽
症者が多く、重症化および死亡につながることは非常にまれであるものの、高齢者は
重症率・致死率が高いとされている。実際に、大阪府の報告によれば重症化および死
亡者は 50 代以上に多いこと、一方で 40 代以下では軽症・無症状で推移することが多
いが、まれに重症化することもあることが示された(図1)
。沖縄県においても同様の
傾向であり、若年層における重症化例は重症化リスクを有していた(図 2)
。さらに、
広島県における多変量解析による分析では、診断時軽症例が重症化および死亡するリ
スクには性別、年齢、糖尿病、心疾患があげられた(図3)
。従って、これらのデータ
からは重症化および死亡のリスクの高い高齢者には重点的に対応することが求められ
る。
しかし、現状において一部の自治体では、現行通知に基づく最大限の効率化を図り
ながらもなお、保健所業務は感染動向の把握さえ支障をきたす事態となっている。ま
た、COVID-19 対策に取り組む診療・検査医療機関等においても、有症状者の診療、
HER-SYS 入力、陽性者の遠隔診療・訪問診療等の様々な業務が重なり、さらにはワ
クチン接種の加速化を要請され、診療業務が極めて逼迫している。
現在、新規陽性者数については、高止まりもしくはやや減少傾向にある一方で、高
齢者層の割合は高く、また、高齢者施設でのクラスターも増加し、重点的対応の対象
者はむしろ増加傾向にある。今後、年度末をきっかけにして再び感染拡大に向かう可
能性や、さらに感染性が高いとされる BA2 株による感染拡大の可能性も否定できず、
更なる重点化は現在の喫緊の課題であると考える。
一方で、今後の COVID-19 の変異等については予測しがたく、感染症類型あるいは
適用措置を直ちに変更することは拙速である。
このため、高齢者など重症化リスクのある陽性者に対して、より重点的にメリハリ
のある対応を可能とするためには、現行の制度における更なる柔軟な対応が必要であ
る。
方法:
保健所、診療検査医療機関等の業務の対象を重症化リスクの高い陽性者に早急に特
化する。
① 新型コロナウイルス感染症の診断類型に軽症でリスクの低い陽性者の診断類型
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