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資料1-3 指摘事項に対する回答 (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24171.html |
出典情報 | 先進医療会議 先進医療技術審査部会(第130回 3/10)《厚生労働省》 |
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先進医療審査の事前照会事項に対する回答2
先進医療技術名: 慢性膵炎等に対する膵全摘術に伴う自家膵島移植
2022 年3月2日
所属・氏名:国立国際医療研究センター膵島移植プロジェクト・霜田雅之
※照会に伴い変更が生じた場合は、関係書類も併せて修正して下さい。
1.症例数の設計において、「本試験治療を受けなかった場合の有効確率𝑝𝑆を期待値 40%となるベー
タ分布からなる事前分布𝐵𝑒𝑡𝑎(14,21)と仮定する。この仮定のもと、事後確率𝑃𝑟(𝑝𝐸>𝑝𝑆|𝑥,𝑛)を算出す
る」とされています。事前分布𝐵𝑒𝑡𝑎(14,21)とは、35 例分の情報があったと想定されていることになり
ますが、何か根拠となるものはありますでしょうか。また、事後確率𝑃𝑟(𝑝𝐸>𝑝𝑆|𝑥,𝑛)として、本試験治
療を受けなかった場合からの有効確率の増分δを 0 としていますが、何か理由はありますでしょうか。
【回答】
ご指摘いただきましてありがとうございます。
本治療を受けなかった場合の重症低血糖発作を起こさず HbA1c が 7.4%を下回る血糖コントロールが良
好な患者割合について、Stauffer et al.の 47 名を対象とした後ろ向き研究では、膵全摘後 6 か月時の
HbA1c の中央値は 7.3%と報告されているものの、閾値 40%の確たる根拠となる事前情報はございませ
ん。そこで、本試験治療を受けなかった場合の有効確率に事前分布を仮定することとし、上記先行研究
のデータが本研究の推定結果に与える影響を若干割り引くことを考慮して、Stauffer の 47 名よりも少な
い 35 例分の情報として設定いたしました。なお、標準治療𝑝𝑠 に事前分布
Beta(14,21), Beta(12,18), Beta(42,63)(期待値が 0.4 をとる)を仮定したもとでの、試験治療の真の有
効率を 40%,80%,90%、有効判定に用いるカットオフ値 90%,95%,97.5%,99%としたときの性能を数値実験によ
って評価した結果は別添のとおりとなります。別添のとおり、事前情報をより大きく(105 例分の情報)し
た場合、小さくした場合(30 例分の情報)の結果についても載せております。
また、事後確率𝑃𝑟(𝑝𝐸>𝑝𝑆+δ|𝑥,𝑛)のδは、新規治療を標準治療と比較した場合の新規治療の最低限許
容可能な反応率の増分δとして設定されますが、新規治療の無益性により試験を中止する基準として増
分が指定され(Thall and Simon, 1994)、本試験の有効性の判定についてはδ=0 と致しました。なお、真
の治療効果が 80%、90%の場合に、10 例の登録があり成功した人数が 7 例存在した場合、閾値 95%を超
える確率は、約 87.8%、98.7%と算出されております。
Thall PF, Simon R. Practical Bayesian guidelines for phase IIB clinical trials. Biometrics. 1994
Jun;50(2):337-49.
以上
1
先進医療技術名: 慢性膵炎等に対する膵全摘術に伴う自家膵島移植
2022 年3月2日
所属・氏名:国立国際医療研究センター膵島移植プロジェクト・霜田雅之
※照会に伴い変更が生じた場合は、関係書類も併せて修正して下さい。
1.症例数の設計において、「本試験治療を受けなかった場合の有効確率𝑝𝑆を期待値 40%となるベー
タ分布からなる事前分布𝐵𝑒𝑡𝑎(14,21)と仮定する。この仮定のもと、事後確率𝑃𝑟(𝑝𝐸>𝑝𝑆|𝑥,𝑛)を算出す
る」とされています。事前分布𝐵𝑒𝑡𝑎(14,21)とは、35 例分の情報があったと想定されていることになり
ますが、何か根拠となるものはありますでしょうか。また、事後確率𝑃𝑟(𝑝𝐸>𝑝𝑆|𝑥,𝑛)として、本試験治
療を受けなかった場合からの有効確率の増分δを 0 としていますが、何か理由はありますでしょうか。
【回答】
ご指摘いただきましてありがとうございます。
本治療を受けなかった場合の重症低血糖発作を起こさず HbA1c が 7.4%を下回る血糖コントロールが良
好な患者割合について、Stauffer et al.の 47 名を対象とした後ろ向き研究では、膵全摘後 6 か月時の
HbA1c の中央値は 7.3%と報告されているものの、閾値 40%の確たる根拠となる事前情報はございませ
ん。そこで、本試験治療を受けなかった場合の有効確率に事前分布を仮定することとし、上記先行研究
のデータが本研究の推定結果に与える影響を若干割り引くことを考慮して、Stauffer の 47 名よりも少な
い 35 例分の情報として設定いたしました。なお、標準治療𝑝𝑠 に事前分布
Beta(14,21), Beta(12,18), Beta(42,63)(期待値が 0.4 をとる)を仮定したもとでの、試験治療の真の有
効率を 40%,80%,90%、有効判定に用いるカットオフ値 90%,95%,97.5%,99%としたときの性能を数値実験によ
って評価した結果は別添のとおりとなります。別添のとおり、事前情報をより大きく(105 例分の情報)し
た場合、小さくした場合(30 例分の情報)の結果についても載せております。
また、事後確率𝑃𝑟(𝑝𝐸>𝑝𝑆+δ|𝑥,𝑛)のδは、新規治療を標準治療と比較した場合の新規治療の最低限許
容可能な反応率の増分δとして設定されますが、新規治療の無益性により試験を中止する基準として増
分が指定され(Thall and Simon, 1994)、本試験の有効性の判定についてはδ=0 と致しました。なお、真
の治療効果が 80%、90%の場合に、10 例の登録があり成功した人数が 7 例存在した場合、閾値 95%を超
える確率は、約 87.8%、98.7%と算出されております。
Thall PF, Simon R. Practical Bayesian guidelines for phase IIB clinical trials. Biometrics. 1994
Jun;50(2):337-49.
以上
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