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参考資料4 肝炎研究推進戦略 (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35798.html |
出典情報 | 肝炎対策推進協議会(第31回 10/18)《厚生労働省》 |
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肝硬変における非侵襲的な線維化の診断方法として、より精度が高く、臨床応用可
能な線維化の評価方法の開発が必要である。また、線維化を改善させる治療はなく、
非代償性肝硬変の根本治療は肝移植のみである。特に、非代償性肝硬変の多くの症例
で、肝庇護療法※12 や食道静脈瘤等への対処など対症療法が主体となっていることか
ら、病態や予後の改善に資する新たな治療法の開発が求められている。
④肝がん
肝がん症例は、ウイルス排除後、核酸アナログ製剤内服によるウイルス量制御下、
及び非ウイルス性肝疾患の症例等、近年、多様化してきている。早期がんに対するラ
ジオ波焼灼療法※13 や手術の治療成績は良好であるが、肝がんは再発率が高いという
特徴があり、5年生存率は約 35~50%にとどまっている。また、進行がんに対する治
療は、近年、新たな分子標的薬※14 や免疫チェックポイント阻害薬※15 等が保険適用と
なり、治療方法の進歩や拡充に応じて、より高い治療効果を得る取組が必要である。
このため、発がん予防に加え、肝がん再発防止及び肝予備能維持策の確立や肝がん患
者の予後改善に資する研究が必要である。
(2)基礎研究
B型肝炎ウイルスにおいては、感染培養系や感染動物モデルは作製されたものの、
より効率的かつ再現性に優れた系が必要とされている。また、ウイルスのレセプター
※16 による感染機構の一部が明らかとなり、創薬の候補となる化合物も見出されてい
るところであるが、感染・複製機構は未だ十分には解明されていないため、基盤研究
の推進と、感染サイクルや免疫応答等に基づいた先進的な治療薬の開発が課題である。
C型肝炎ウイルスについては、高率に排除することが可能となったが、SVR 後の肝
発がん等の病態推移の解明につながる代謝機構等を含む研究が必要である。また、ウ
イルスの変異症例に対してウイルスを排除するための基盤研究を推進し、臨床応用に
つなげることが必要である。
肝線維化※17 の機序については、様々な因子が関係していることが解明されつつあ
るが、線維化をより正確に評価するバイオマーカー※18 等、及び抗線維化薬の開発に
向けて更なる機序の解明のための基礎研究が必要である。
肝発がんについては、繰り返す炎症、壊死、再生、ゲノム※19 等による異常が蓄積
すること以外にも様々な発がん原因が考えられており、十分な機序の解明には至って
いないため、更なる研究の推進が必要である。
(3)疫学研究
疫学研究としては、全国規模での肝炎ウイルス感染者数の推計の基になるデータ収
集を行い、様々な行政施策の立案に生かされてきた。
WHOが、公衆衛生上の脅威としての肝炎ウイルスの排除達成を 2030 年までの目
標として掲げていることを踏まえ、新たな感染拡大を予防するためにも、その実態を
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能な線維化の評価方法の開発が必要である。また、線維化を改善させる治療はなく、
非代償性肝硬変の根本治療は肝移植のみである。特に、非代償性肝硬変の多くの症例
で、肝庇護療法※12 や食道静脈瘤等への対処など対症療法が主体となっていることか
ら、病態や予後の改善に資する新たな治療法の開発が求められている。
④肝がん
肝がん症例は、ウイルス排除後、核酸アナログ製剤内服によるウイルス量制御下、
及び非ウイルス性肝疾患の症例等、近年、多様化してきている。早期がんに対するラ
ジオ波焼灼療法※13 や手術の治療成績は良好であるが、肝がんは再発率が高いという
特徴があり、5年生存率は約 35~50%にとどまっている。また、進行がんに対する治
療は、近年、新たな分子標的薬※14 や免疫チェックポイント阻害薬※15 等が保険適用と
なり、治療方法の進歩や拡充に応じて、より高い治療効果を得る取組が必要である。
このため、発がん予防に加え、肝がん再発防止及び肝予備能維持策の確立や肝がん患
者の予後改善に資する研究が必要である。
(2)基礎研究
B型肝炎ウイルスにおいては、感染培養系や感染動物モデルは作製されたものの、
より効率的かつ再現性に優れた系が必要とされている。また、ウイルスのレセプター
※16 による感染機構の一部が明らかとなり、創薬の候補となる化合物も見出されてい
るところであるが、感染・複製機構は未だ十分には解明されていないため、基盤研究
の推進と、感染サイクルや免疫応答等に基づいた先進的な治療薬の開発が課題である。
C型肝炎ウイルスについては、高率に排除することが可能となったが、SVR 後の肝
発がん等の病態推移の解明につながる代謝機構等を含む研究が必要である。また、ウ
イルスの変異症例に対してウイルスを排除するための基盤研究を推進し、臨床応用に
つなげることが必要である。
肝線維化※17 の機序については、様々な因子が関係していることが解明されつつあ
るが、線維化をより正確に評価するバイオマーカー※18 等、及び抗線維化薬の開発に
向けて更なる機序の解明のための基礎研究が必要である。
肝発がんについては、繰り返す炎症、壊死、再生、ゲノム※19 等による異常が蓄積
すること以外にも様々な発がん原因が考えられており、十分な機序の解明には至って
いないため、更なる研究の推進が必要である。
(3)疫学研究
疫学研究としては、全国規模での肝炎ウイルス感染者数の推計の基になるデータ収
集を行い、様々な行政施策の立案に生かされてきた。
WHOが、公衆衛生上の脅威としての肝炎ウイルスの排除達成を 2030 年までの目
標として掲げていることを踏まえ、新たな感染拡大を予防するためにも、その実態を
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