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(参考資料2)「精神科医療における倫理と虐待予防について」(吉川構成員提出資料) (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24234.html
出典情報 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会(第6回 3/3)《厚生労働省》
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現行の精神保健福祉法における隔離・身体的拘束に係る規定は、主に 1 群を想定して整備
されたものと考えられる。近年、精神科入院患者の状態は変化してきているため、2 群、
3 群のことは切り分けて議論を行う必要がある。
2 群の高齢者(リスクと安全)に該当する患者の身体的拘束については、精神病床のみな
らず一般病床においても大きな課題となっているため、医療全体の課題として議論するこ
とが求められる。患者と看護職員双方の安全・安心が確保できることが重要である。
精神保健福祉法に基づく隔離・身体的拘束については必要最小限の範囲内で行われること
は勿論のこと、切迫性・非代替性・一時性の 3 要件に関しての手続きは、極めて慎重に判
断する必要があると考えている。
特に患者の療養生活上の援助を行う看護職としては、隔離・身体的拘束の対象となる患者
に関して、どのような方法(非代替性)を用いれば、一般病床でケアできるのかといった
視点が非常に重要となると考える。
非代替性に関しては、患者の混乱の増大を最小化するための管理上および臨床的治療環境
の整備(コンフォートルーム等)や、患者の混乱や攻撃性が起こったときにそれを和らげ
るディエスカレーション法など、看護職の技術訓練等も有効であると考える。
さらに重要な観点は、患者が医療機関から提供される医療・ケアを信頼して受けられる関
係性を構築することにある。看護職も患者にとって重要な治療環境要因であり人的資源で
ある。
看護職にとって安全でかつ健康に働くことのできる職場環境は、 患者にとっても安全な
療養環境・生活環境になるため、行動制限最小化に対応できる人員体制の構築が必要であ
ると考える。
特に第 1 群のような「生命や身体の危機」状態にある患者の命を守りつつ、同時に行動制
限を回避するためには、24 時間を通じた個別の観察とリスク管理および急変時に迅速に
対応できる人員体制が必要であると考える。
そのような観点から、第 1 群の患者をケアするユニットの人員配置としては、医療観察法
の指定入院医療機関の常時看護師の配置(概ね 日中 1.5:1、夜間 6:1)などが参考に
なると考える。
以上