介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための
基本的な指針の全部を改正する件（案）について（概要）
厚生労働省老健局介護保険計画課
１．改正の趣旨
○ 介護保険法（平成９年法律第 123 号）第 116 条第１項において、厚生労働大臣は、介護
保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針（以下「基本指針」
という。
）を定めることとされている。
○ 都道府県及び市町村は、基本指針に即して、３年を一期とする都道府県介護保険事業支
援計画及び市町村介護保険事業計画（以下「介護保険事業（支援）計画」という。
）を定
めることとされており、基本指針は介護保険事業（支援）計画作成上のガイドラインの役
割を果たしている。
○ 今般、第９期（令和６年度から令和８年度までをいう。）の介護保険事業（支援）計画
（以下「第９期計画」という。）の作成に資するよう、基本指針の見直しを行う。
２．改正の概要
【中長期的な目標】
○ 第９期計画期間中には、団塊の世代全てが 75 歳以上となる 2025 年を迎えることにな
り、また、高齢者人口がピークを迎える 2040 年を見通すと、85 歳以上人口が急増し、医
療・介護双方のニーズを有する高齢者など複合的ニーズを有する要介護高齢者が増加する
一方、生産年齢人口が急減することが見込まれている。
○ 人口構成の変化や介護需要の動向は地域ごとに異なることから、これまで以上に各地域
の中長期的な介護ニーズ等に応じた介護サービス基盤を医療提供体制と一体的に整備す
るとともに、地域の実情に応じて、地域包括ケアシステムの深化・推進や介護人材の確保、
介護現場の生産性の推進等が重要である。こうした状況を踏まえ、基本指針においては、
これに関する考え方等を記載する。
【介護サービス基盤の計画的な整備】
○ 地域の実情に応じたサービス基盤の整備に関して、
・ 各市町村における中長期的な人口構造の変化等を勘案して見込んだ中長期的な介護ニ
ーズの見通し等を把握した上で、介護サービス事業者を含め、地域の関係者と共有し、
介護サービス基盤整備の在り方を議論することが重要であり、限りある地域の社会資源
を効率的かつ効果的に活用していくため、既存施設や事業所の今後の在り方を含めて検
討すること
・ 医療・介護の複合的ニーズを有する慢性疾患等の高齢者が増加しており、市町村の保
健医療部局や都道府県とも連携し、地域における医療ニーズの変化について把握・分析
し、介護サービス基盤を医療提供体制と一体的に整備していくこと
等が重要であることを踏まえ、基本指針において、この考え方等に関する事項を記載する。