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04資料2_高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36952.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第58回 12/20)《厚生労働省》
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第22回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会
予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会

ワクチンの有効性に関する最近の知見②

2023(令和5)年12月1日

資料


○ 日本の1自治体における、予防接種記録とレセプト情報を突合した分析において、65歳以上のPPSV23接種者は、非接種者と比較
して肺炎による入院の発生率が低かったが、年代別に見ると90歳又は95歳になる年度で接種した接種者においては、入院発生率の低
下は有意ではなかった。
H Yamana1(Clinical Microbiology and Infection, 2023 )
研究内容:日本の1自治体において、予防接種記録と医療レセプト情
報(国民健康保険と後期高齢者医療制度)を連携し解析。2014年度か
ら2018年度にPPSV23を定期接種として接種した、期間中の各年度に
65歳、70歳、75歳、80歳,、85歳、90歳、95歳だった住民のうち、
PPSV23を接種した住民と非接種の住民における、肺炎の発症割合を
比較した。接種群と非接種群の背景因子をそろえるために各年齢層毎
に傾向スコアマッチングを実施した。アウトカムはICD-10コードにお
ける、J10.0,、J11.0、又は、J12–J18の病名が付与された入院と定義。
接種群と非接種群のアウトカムは、競合リスクを考慮したFine-Gray回
帰モデルを用いて、部分分布ハザード比(SHR:subーdistribution
hazard ratio)で評価。

図2:非接種者と比較したPPSV23接種者における、肺炎の入院の部分分
布ハザード比(SHR)

結果:コホート全体で10,2136人の住民を追跡。このうち約35%が肺
炎球菌ワクチンを接種した。傾向スコアマッチングを用いて、接種者
と非接種者のそれぞれ32,510人における肺炎の入院を観察した。接種
者における肺炎入院発生率は1000人年あたり17.2に対して、非接種
者における肺炎入院発生率は1000人年あたり20.4だった。
各年齢層に分けた、接種群における非接種群と比較した肺炎入院発
生のSHRは右図のとおりであり、全体ではSHRは0.84(95%信頼区
間:0.77-0.91)だったが、90歳又は95歳になる年度で接種した接種
者においては、SHRの低下は有意ではなかった。
1 Hayato Yamana, Sachiko Ono, Nobuaki Michihata, Kohei Uemura, Taisuke Jo, Hideo Yasunaga. Effect of the 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine on the incidence of
hospitalisation with pneumonia in adults aged ≥65 years: retrospective cohort study using a population-based database in Japan Clin Microbiol Infect. 2023 Jul;29(7):904-910

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