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05 参考資料1 おたふくかぜワクチンに関するファクトシート (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37506.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第23回 1/24)《厚生労働省
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ところで、Urabe-AM9 株を含む国産 MMR ワクチン自社株(微研会)が使われた
ところ、無菌性髄膜炎の発生頻度は 0.005%(接種者約 7 万人)と激減し、副反
応の尐ないワクチンであることが示された(表 5)。微研会の MMR ワクチン自
社株は安全性の点で優れていたが、このことが逆に混合された他の麻疹、風
疹ワクチン成分との相性で片付けられないワクチンの品質管理上の問題を生
んだ 41)。なぜワクチン品質上の差が生じたのかの理由が明らかでないため、
微研会の Urabe-AM9 株を含むおたふくかぜワクチンの製造・販売は中止され
ている。
(5)海外おたふくかぜワクチンの問題点
① ワクチンの免疫持続期間について
米国は既に述べた様に MMR ワクチンの2回接種により順調におたふく
かぜ患者が減尐していたが、2005 年 12 月からアイオワ州を中心におたふく
かぜが発生し、総患者数は 6,584 名に達した(図 6)。アイオワ州の調査によ
ると罹患者の 51%はワクチンの2回接種者で、12%は1回接種者であった。
ワクチンの有効性に疑問を抱かせる結果であるが、(1) 感染の広がり状況を
調査するとワクチンを 2 回接種している人は1回接種の人より、また、1 回
接種をしている人はまったく接種を受けていない人より罹患率が低い事、
更に(2) ワクチン接種者の罹患年齢層は 18〜24 歳が最も多く、乳幼児には
ほとんど罹患者が出なかったことから、CDC は Jeryl-Lynn 株は未だにワク
チンとして有効であるが、接種後長期間経過し抗体価が低下したために発
生したと結論し、ワクチン未接種者及び接種後長期経過者に対してワクチ
ン接種を行う対策を実施してこの時の流行は終息へと向かった 17)。
さらに、2009 年 7 月、英国旅行から帰国した 11 歳男児を初発例として米
国ニューヨーク州、ニュージャージ州及びカナダのケベック州で 4,000 人を
越える大規模な集団発生がおこった 36,45)。現在、米国、カナダの一部の州
では 17~26 歳の青年層を対象に MMR ワクチンの Catch-Up あるいは 3 回目
接種プログラムが実施されている。
2005~2006 年及び 2009 年に米国で流行したムンプスウイルスは、すべて
遺伝子型 G に属し、ヨ
ーロッパで 1990 年代半
図 6.米国の流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)発生患者数
ばごろから分離された
比較的新しいウイルス
である。G 遺伝子型ウ
イルスは今や我が国で
も分離されており世界
的流行株となっている
46,47)
。 2005~2006 及 び
2009 年の米国での流行
は、ワクチン免疫の持
続期間が新型株に対し
て短くなっている可能
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