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別紙1○新規技術(2月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00066.html |
出典情報 | 先進医療会議(第129回 2/8)《厚生労働省》 |
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別紙1-1
様式第5号
先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:子宮腺筋症病巣除去術
適応症:子宮温存を希望する、もしくは妊孕能温存を希望する子宮腺筋症患者
内容:
子宮腺筋症病巣除去術は子宮温存を希望する子宮腺筋症患者に対して、妊孕性温存を目的として
行う手術療法である。開腹下に子宮腺筋症病巣を除去したのち、残存した組織を縫合・修復して
子宮の形成・温存を行う。本技術により、月経困難症・過多月経の症状改善に寄与することが報
告されているほか、流産率低下や生児獲得率改善の可能性がある。
(先進性)
本技術は、子宮腺筋症によって引き起こされる諸症状(月経困難症・過多月経、不妊症、流産、
早産等)の改善と妊孕性温存との両立する可能性を持つ唯一の外科的治療法であり、子宮腺筋症
の治療において最も先進的な手術手技であると言える。
(概要)
子宮腺筋症は 30 代後半から 50 代にかけて多い疾患で、子宮内膜に類似した組織が子宮の筋層
の中にできる病気である。子宮腺筋症の診断は MRI および超音波検査で診断し、最終的には摘
出標本の病理診断で確定する。その発生頻度は、どのような疾患で摘出された子宮を検索した
のか、どのような病理学的診断基準が用いられたかなどに依存しているため、子宮摘出標本の
20~60%と、報告によって大きくばらつきがある。子宮腺筋症は、月経困難症、過多月経、不正
性器出血などの自覚症状を訴え、不妊を合併することもしばしばある。
子宮腺筋症の治療選択肢には、薬物治療としては対症療法・ホルモン療法がある。手術療法と
しては、複雑に正常子宮筋層内に入り込んだ子宮腺筋症病変だけを取り除くことは困難である
とされ、根治療法としては子宮摘出術(子宮全摘出術、腟上部切断術)が選択肢となるが、妊
孕性は廃絶してしまう(産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2023)。その一方で、晩婚
化・晩産化などの女性のライフサイクルの変化により、子宮腺筋症の好発年齢層にあたる
世代で挙児を希望する方が増えており、それに伴い妊孕性の温存を希望する子宮腺筋症患者
への対応が問題となっている。子宮温存をしつつ子宮腺筋症の治療をすることができる子
宮腺筋症治療は、その重要な選択肢の一つとなる。
子宮腺筋症病巣除去術は子宮温存目的として子宮腺筋症病巣のみを切除する手術療法であり、
子宮腺筋症によって引き起こされる症状の改善と妊孕性温存との両立の可能を持つ。本技術で
は、開腹に子宮腺筋症病巣を除去したのち、残存した組織を縫合・修復して子宮の形成・温存
を行う。本技術は、1993 年に Wood らによって初めて報告がなされた後に多くの施設で施行さ
れ、日本国内でも 2005 年に「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」として先進医療 A 告示
番号 1 番に認定をされてから 2023 年に至るまでの 18 年間、全国の 6 施設で施行されてきた。
この間には、手術術式の進化に加えて、子宮腺筋症切除に際してのエネルギーデバイスや縫合
糸の改良・MRI 検査による子宮腺筋症病変のより精密な把握が可能となった事などにより、手術
手技は年々洗練されていると言える。
更に、術後の症状改善・妊孕能の改善を示す報告がなされてきたほか、本手術後妊娠の際に懸
念されていた子宮破裂に関する国内調査では、脳性麻痺や新生児死亡は報告されず、子宮腺筋
症病巣除去術後妊娠では高次周産期施設で注意深く周産期管理を行うことで対処が可能である
と考えられる。また、本術式の施行により、子宮腺筋症患者の周産期予後を改善させること
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様式第5号
先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:子宮腺筋症病巣除去術
適応症:子宮温存を希望する、もしくは妊孕能温存を希望する子宮腺筋症患者
内容:
子宮腺筋症病巣除去術は子宮温存を希望する子宮腺筋症患者に対して、妊孕性温存を目的として
行う手術療法である。開腹下に子宮腺筋症病巣を除去したのち、残存した組織を縫合・修復して
子宮の形成・温存を行う。本技術により、月経困難症・過多月経の症状改善に寄与することが報
告されているほか、流産率低下や生児獲得率改善の可能性がある。
(先進性)
本技術は、子宮腺筋症によって引き起こされる諸症状(月経困難症・過多月経、不妊症、流産、
早産等)の改善と妊孕性温存との両立する可能性を持つ唯一の外科的治療法であり、子宮腺筋症
の治療において最も先進的な手術手技であると言える。
(概要)
子宮腺筋症は 30 代後半から 50 代にかけて多い疾患で、子宮内膜に類似した組織が子宮の筋層
の中にできる病気である。子宮腺筋症の診断は MRI および超音波検査で診断し、最終的には摘
出標本の病理診断で確定する。その発生頻度は、どのような疾患で摘出された子宮を検索した
のか、どのような病理学的診断基準が用いられたかなどに依存しているため、子宮摘出標本の
20~60%と、報告によって大きくばらつきがある。子宮腺筋症は、月経困難症、過多月経、不正
性器出血などの自覚症状を訴え、不妊を合併することもしばしばある。
子宮腺筋症の治療選択肢には、薬物治療としては対症療法・ホルモン療法がある。手術療法と
しては、複雑に正常子宮筋層内に入り込んだ子宮腺筋症病変だけを取り除くことは困難である
とされ、根治療法としては子宮摘出術(子宮全摘出術、腟上部切断術)が選択肢となるが、妊
孕性は廃絶してしまう(産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2023)。その一方で、晩婚
化・晩産化などの女性のライフサイクルの変化により、子宮腺筋症の好発年齢層にあたる
世代で挙児を希望する方が増えており、それに伴い妊孕性の温存を希望する子宮腺筋症患者
への対応が問題となっている。子宮温存をしつつ子宮腺筋症の治療をすることができる子
宮腺筋症治療は、その重要な選択肢の一つとなる。
子宮腺筋症病巣除去術は子宮温存目的として子宮腺筋症病巣のみを切除する手術療法であり、
子宮腺筋症によって引き起こされる症状の改善と妊孕性温存との両立の可能を持つ。本技術で
は、開腹に子宮腺筋症病巣を除去したのち、残存した組織を縫合・修復して子宮の形成・温存
を行う。本技術は、1993 年に Wood らによって初めて報告がなされた後に多くの施設で施行さ
れ、日本国内でも 2005 年に「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」として先進医療 A 告示
番号 1 番に認定をされてから 2023 年に至るまでの 18 年間、全国の 6 施設で施行されてきた。
この間には、手術術式の進化に加えて、子宮腺筋症切除に際してのエネルギーデバイスや縫合
糸の改良・MRI 検査による子宮腺筋症病変のより精密な把握が可能となった事などにより、手術
手技は年々洗練されていると言える。
更に、術後の症状改善・妊孕能の改善を示す報告がなされてきたほか、本手術後妊娠の際に懸
念されていた子宮破裂に関する国内調査では、脳性麻痺や新生児死亡は報告されず、子宮腺筋
症病巣除去術後妊娠では高次周産期施設で注意深く周産期管理を行うことで対処が可能である
と考えられる。また、本術式の施行により、子宮腺筋症患者の周産期予後を改善させること
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