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(資料1)NDB提供体制の見直しについて (11 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/index_00065.html |
出典情報 | 社会保障審議会 医療保険部会 匿名医療情報等の提供に関する専門委員会(第20回 3/6)《厚生労働省》 |
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「NDBの迅速提供に向けたスキーム再構築に資する研究」中間報告②
規制改革実施計画の対応に向けたデータの仕様と提供体制
NDBを用いた多くの研究は、レセプト単位ではなく個人単位で行われるため、 NDBデータが提供された初期段階において、個人単位のパネルデータに
するために必要な情報の付与やその他研究に必要なデータを作成するために、データベース構造を再成形する処理等の前処理が実施されることが一般的で
ある。迅速かつ効果的なNDBの政策活用や研究利用を発展させるためには、現時点で妥当と考えられる情報の事前の付与を行いつつ、将来的には、利用し
やすい提供用のデータベース構造を設計可能か等も検討を進めることが望まれる。
原則7日での提供にむけては、これまで、研究に必要なNDBデータのみを抽出したデータセットが研究者に提供されていたため、抽出から提供までの時
間がかかる要因となっていた。他方、提供期間短縮のために、全ての研究者が全てのデータに実質的な制限なくアクセス可能とすることは、個人特定性の
リスクやインフラ維持のコストを考えたときに現実的なものとは言えない。研究利用の観点においては、全ての研究において必ずしもNDBに格納された十
数年分の全てレセプトデータが必要ではなく、一定期間のデータについて、1/1000を抽出した場合でも外来入院合わせて年間で延べ200万レセプト程度
のデータとなるため、一定の探索的な解析を含め、多くの研究には十分な数となる。この十分量のデータについて、事前のデータ処理やHIC上での提供を
合わせて行うことで、個人特定性のリスクを減じることができ、コストも低減できると考えられる。従って、症例の縦断的追跡を可能となるような情報を
付与・加工し、1~数年分の十分なデータ件数を確保したデータの提供を広く行い簡易な審査によって提供することで、短期間で安全性の高いNDBデータ
提供が実現するものと考えられる。前述の加工済みデータよりも多くのデータが必要な研究については、追加的な審査の上で、提供された環境に追加的な
データ利用を可能とすることにより、初回の利用から切れ目無い研究環境を構築できると考えられる。
その他
このほか、一部の研究者は頻回にNDBを利用しているが、研究を始める際に様々な課題があり、新規でNDB研究を行おうとする者は多くはない現状が
ある。新規参入者を増加させるためにも、利便性の高い分析環境の構築とともに、研究者への支援体制も必要である。研究を始める上で特に困難となるの
は、アクセスするNDBのデータ構造に関する理解や、それに基づく前処理手法、マスタ整備等がある。こうした課題に対しては、これまで複数の分担研究
者がNDBに関するe-learning等を開発し、データベースを再構築するための提案等が行われてきている。こうしたNDBに関する分析等の知見を一元的に
集約したプラットフォーム環境の構築が期待される。このほか、上記のような仕組みを前提とした申請・審査体制の再構築も必要である。複数のデータ
ベースの連結解析に係る申請の際に同一の書類を複数の事務局に提出しなければならない、必ずしも個人特定性のリスクが低いデータセットの利用にも厳
格に審査している、等の課題があり、データ利用における安全性確保、特に HIC特有の解析環境の課題やアクセス向上による新たなリスクへの対応等も前
提としつつ、合理的でない申請業務は書類審査の実現等、研究者の負担軽減の観点に立った運用改善が必要である。
規制改革実施計画の対応に向けたデータの仕様と提供体制
NDBを用いた多くの研究は、レセプト単位ではなく個人単位で行われるため、 NDBデータが提供された初期段階において、個人単位のパネルデータに
するために必要な情報の付与やその他研究に必要なデータを作成するために、データベース構造を再成形する処理等の前処理が実施されることが一般的で
ある。迅速かつ効果的なNDBの政策活用や研究利用を発展させるためには、現時点で妥当と考えられる情報の事前の付与を行いつつ、将来的には、利用し
やすい提供用のデータベース構造を設計可能か等も検討を進めることが望まれる。
原則7日での提供にむけては、これまで、研究に必要なNDBデータのみを抽出したデータセットが研究者に提供されていたため、抽出から提供までの時
間がかかる要因となっていた。他方、提供期間短縮のために、全ての研究者が全てのデータに実質的な制限なくアクセス可能とすることは、個人特定性の
リスクやインフラ維持のコストを考えたときに現実的なものとは言えない。研究利用の観点においては、全ての研究において必ずしもNDBに格納された十
数年分の全てレセプトデータが必要ではなく、一定期間のデータについて、1/1000を抽出した場合でも外来入院合わせて年間で延べ200万レセプト程度
のデータとなるため、一定の探索的な解析を含め、多くの研究には十分な数となる。この十分量のデータについて、事前のデータ処理やHIC上での提供を
合わせて行うことで、個人特定性のリスクを減じることができ、コストも低減できると考えられる。従って、症例の縦断的追跡を可能となるような情報を
付与・加工し、1~数年分の十分なデータ件数を確保したデータの提供を広く行い簡易な審査によって提供することで、短期間で安全性の高いNDBデータ
提供が実現するものと考えられる。前述の加工済みデータよりも多くのデータが必要な研究については、追加的な審査の上で、提供された環境に追加的な
データ利用を可能とすることにより、初回の利用から切れ目無い研究環境を構築できると考えられる。
その他
このほか、一部の研究者は頻回にNDBを利用しているが、研究を始める際に様々な課題があり、新規でNDB研究を行おうとする者は多くはない現状が
ある。新規参入者を増加させるためにも、利便性の高い分析環境の構築とともに、研究者への支援体制も必要である。研究を始める上で特に困難となるの
は、アクセスするNDBのデータ構造に関する理解や、それに基づく前処理手法、マスタ整備等がある。こうした課題に対しては、これまで複数の分担研究
者がNDBに関するe-learning等を開発し、データベースを再構築するための提案等が行われてきている。こうしたNDBに関する分析等の知見を一元的に
集約したプラットフォーム環境の構築が期待される。このほか、上記のような仕組みを前提とした申請・審査体制の再構築も必要である。複数のデータ
ベースの連結解析に係る申請の際に同一の書類を複数の事務局に提出しなければならない、必ずしも個人特定性のリスクが低いデータセットの利用にも厳
格に審査している、等の課題があり、データ利用における安全性確保、特に HIC特有の解析環境の課題やアクセス向上による新たなリスクへの対応等も前
提としつつ、合理的でない申請業務は書類審査の実現等、研究者の負担軽減の観点に立った運用改善が必要である。