よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


成田参考人提出資料 IgA 腎症に係る現在の状況について[3.3MB] (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/newpage_00106.html
出典情報 厚生科学審議会・薬事審議会(合同開催) 予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(第102回 7/29)医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和6年度第4回 7/29)(合同開催)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

まとめ
日本腎臓学会のアンケート調査


新型コロナワクチン接種後に肉眼的血尿をみとめた症例27例のうち20例はワクチン接種前から血尿が認められていた。また、
多くの症例で改善しており、ワクチン接種後に不可逆的な腎機能障害を生じた症例はなく、腎機能の変化は一時的なものと考え
られた。

COVID-19ワクチン接種と肉眼的血尿の関連についての前向き観察研究




新型コロナワクチン接種後に血尿をみとめ、そのうちIgA腎症と診断された症例は、ワクチン接種前から尿所見があるものの未
診断であった症例や、血尿が出没していた潜在性のIgA腎症患者が、ワクチン接種後の肉眼的血尿をきっかけに表面化し、診断
された例がほとんどであった。
深刻な進行性の腎機能障害に至った症例はなかった。





• 新型コロナワクチン接種後に血尿をみとめ、そのうちIgA腎症と診断された症例は、元々存在していたIgA腎症が接種をきっかけ
として表面化・診断されたと考えられるものが多かったが、今現在のエビデンスは、症例報告であったり、対照群がない等の研究
デザイン上の課題があることなどから、新型コロナワクチン接種とIgA腎症の関連性は未だ明らかではない。
• ワクチン接種開始前後でIgA腎症の診断の増加傾向はみられず、慢性糸球体腎炎を原因とした透析導入の増加傾向もみられない。
• 新型コロナワクチン接種後に肉眼的血尿が出現し、IgA腎症と診断された症例が報告されているため、新型コロナワクチン接種後
に血尿を認める場合には、医療機関への受診が重要である。新型コロナワクチン接種後に発症することが懸念されている血尿・
IgA腎症は、通常の腎臓内科の診療体制で対応可能と考える。
• 慢性腎臓病(CKD)は新型コロナウイルス感染症重症化のリスク因子であり、CKD患者においても新型コロナワクチンの有効性を
示す研究結果があることから、新型コロナウイルスの感染状況や患者の重症化リスク等に応じて、適切にワクチン接種を行い感
染・重症化予防を図るメリットは、新型コロナワクチン接種後の肉眼的血尿に対する懸念を上回る可能性が高いと考える。