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総-1-1医薬品等の費用対効果評価案について (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43409.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 総会(第594回 9/11)《厚生労働省》 |
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製造販売業者から提示された論点
・ CHD、Stroke のリスク式の補正について
公的分析は、Tanaka らが報告した、UKPDS risk engines と日本人 CHD リスクの比較(3.3
倍の乖離)を用いて外的妥当性を主張している。しかし、UKPDS risk engines は元々欧米人
でもリスクの過大評価が報告されていること、また、UKPDS risk engines と企業分析の用い
た UKPDS Outcomes Model 2 は異なるモデルであることより、Tanaka らの報告した、UKPDS
risk engines と日本人の CHD リスクの比較を参照するのは妥当ではない。よって、公的分
析のリスク補正には課題があり、企業の用いた UKPDS Outcomes Model 2 を積極的に変更す
る根拠はない。
・ QOL 値について
BMI が 35 を超えた場合のみに QOL が影響を受けるとする公的分析の設定は臨床的に妥当
ではない。悪心が QOL に影響を与えないとする公的分析の設定も臨床的に妥当ではない。デ
ータがないことから影響がないことは導けない。臨床的にみて影響があるとみなされる場合、
質に限界のあるデータであっても使用するべきであることから、企業の分析を採用すべきで
ある。
以上を踏まえ、専門組織において議論を行い、主な論点として、CHD、Stroke のリスク式の補正お
よび QOL 値について、下記の通り見解が示され、公的分析班の分析結果が妥当と結論づけられた。
・ CHD、Stroke のリスク式の補正について
欧米人での合併症のデータと、日本人を含めた東アジア人での合併症のデータは、大きく
異なると考えられ、企業が用いた UKPDS Outcomes Model 2 をもとにしつつ、日本の実態に合
わせるために補正した公的分析結果を採用すべきと考える。
・ QOL 値について
企業が提示した論文では、体重が増えるごとに、直線的に QOL が低下するかは評価してお
らず、BMI30 未満では QOL の変化は非常に小さいと考えられるので、BMI が1増えるごとに
QOL が直線的に低下するという企業の主張は妥当ではないと考える。
上記専門組織の決定について、製造販売業者から、CHD、Stroke のリスク式の補正について及び
QOL 値について不服意見が出された。専門組織は、下記の通り議論を行い、公的分析結果を採用し
た。
・
CHD リスクについては、企業が用いた UKPDS Outcomes Model 2 をもとにして、日本の実
態に合わせるために補正した公的分析の結果がより妥当と考えられた。
・
企業の説明を踏まえても、BMI が増えるごとに、直線的に QOL が低下するとの主張は臨
床的な感覚と異なること、BMI と QOL についてはカテゴリー化した分析を行うことが妥当
と考えられたこと、BMI が 25 から 35 の範囲においては QOL 値に有意差はないものの、仮
にその差を分析に含めた場合であっても、その影響は限定的であると考えられた。
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・ CHD、Stroke のリスク式の補正について
公的分析は、Tanaka らが報告した、UKPDS risk engines と日本人 CHD リスクの比較(3.3
倍の乖離)を用いて外的妥当性を主張している。しかし、UKPDS risk engines は元々欧米人
でもリスクの過大評価が報告されていること、また、UKPDS risk engines と企業分析の用い
た UKPDS Outcomes Model 2 は異なるモデルであることより、Tanaka らの報告した、UKPDS
risk engines と日本人の CHD リスクの比較を参照するのは妥当ではない。よって、公的分
析のリスク補正には課題があり、企業の用いた UKPDS Outcomes Model 2 を積極的に変更す
る根拠はない。
・ QOL 値について
BMI が 35 を超えた場合のみに QOL が影響を受けるとする公的分析の設定は臨床的に妥当
ではない。悪心が QOL に影響を与えないとする公的分析の設定も臨床的に妥当ではない。デ
ータがないことから影響がないことは導けない。臨床的にみて影響があるとみなされる場合、
質に限界のあるデータであっても使用するべきであることから、企業の分析を採用すべきで
ある。
以上を踏まえ、専門組織において議論を行い、主な論点として、CHD、Stroke のリスク式の補正お
よび QOL 値について、下記の通り見解が示され、公的分析班の分析結果が妥当と結論づけられた。
・ CHD、Stroke のリスク式の補正について
欧米人での合併症のデータと、日本人を含めた東アジア人での合併症のデータは、大きく
異なると考えられ、企業が用いた UKPDS Outcomes Model 2 をもとにしつつ、日本の実態に合
わせるために補正した公的分析結果を採用すべきと考える。
・ QOL 値について
企業が提示した論文では、体重が増えるごとに、直線的に QOL が低下するかは評価してお
らず、BMI30 未満では QOL の変化は非常に小さいと考えられるので、BMI が1増えるごとに
QOL が直線的に低下するという企業の主張は妥当ではないと考える。
上記専門組織の決定について、製造販売業者から、CHD、Stroke のリスク式の補正について及び
QOL 値について不服意見が出された。専門組織は、下記の通り議論を行い、公的分析結果を採用し
た。
・
CHD リスクについては、企業が用いた UKPDS Outcomes Model 2 をもとにして、日本の実
態に合わせるために補正した公的分析の結果がより妥当と考えられた。
・
企業の説明を踏まえても、BMI が増えるごとに、直線的に QOL が低下するとの主張は臨
床的な感覚と異なること、BMI と QOL についてはカテゴリー化した分析を行うことが妥当
と考えられたこと、BMI が 25 から 35 の範囲においては QOL 値に有意差はないものの、仮
にその差を分析に含めた場合であっても、その影響は限定的であると考えられた。
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