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議題2 先-2 先進医療Bの総括報告書に関する評価について (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44034.html
出典情報 先進医療会議(第136回 10/3)《厚生労働省》
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医療技術の試験結果
○有効性の評価結果
主要評価項目である BNP については、投与開始後 20 週、24 週、28 週データ平均が
投与開始前を下回った者は8名、上回った者は5名であった。本試験は単群試験のため、
以前実施した carvedilol 多施設共同研究の対照群データを基に、帰無仮説の log(BNP)
変化量 0.18 を設定したが、FAS で p=0.071、PPS で p=0.036 と PPS で有意差を認めた。
長期投与期間中においても 72 週以後の GM は baseline を上回ったものの、有意差を認
めたのは 144 週のみであった。
副次評価項目である FS は平均値が 72 週まで徐々に改善し、その後緩やかに低下し
144 週時点で baseline 値まで戻った。hANP については長期投与期間で 72 週以後変化
率が 10%以上となったが、有意差は認めなかった。cTnT についても、baseline に比べ
4週時点で軽度上昇したものの、その後は安定的に推移し全期間を通じて有意差は認め
なかった。
○安全性の評価結果
嚥下機能に合わせた剤型選択を可能としたことから服薬に対するトラブルは生じなか
った。試験開始後、重篤な有害事象は8例で 11 件、心イベントは 10 例 19 件で発生し
たが、試験治療と関連するものは既報告の下痢・脱水1例だけであった。総死亡は3例
だったが心不全による死亡は無かった。有害事象としては、pilot study にて腎機能障害
と心室性期外収縮増加が見られたため、観察項目に挙げていた。腎機能障害については
検査データからは一定の影響が否定できないが、利尿剤や ACE 阻害剤を併用している
者も多く、試験薬の影響か利尿剤・ACE 阻害剤の影響かは明確ではない。循環血液量の
影響も示唆されており、下痢・食思不振や利尿剤変更時など脱水を契機とした腎機能低
下にも留意すべきである。不整脈についても数的増加、3連発の出現が見られた症例が
あるものの、投薬を変更したのは、試験参加前にも既往のある NSVT の再発を認めた1
例のみだった。このため、高度心不全筋ジストロフィー患者においても、試験薬は概ね
安全に投与可能と判断できる。
○結論
本試験では、Primary endpoint において、carvedilol 多施設共同研究対照群データと
比べると log(BNP)の変化率は FAS では有意差を認めなかったものの、PPS では有意差
を認めた。長期投与期間においても、144 週の BNP 以外は有意差を認めず、それ以外の
心機能指標も安定的に推移した。さらに、試験期間中に3例が死亡したが、心不全死亡
は無く、生存率は 80.7%だった。明らかな心機能改善は認めなかったものの、本試験の
対象者は進行性の筋ジストロフィー患者であることから、これらの結果は tranilast が心
不全進行や心不全死亡を抑制していることを示唆したものと考える。
2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果
(1)開催日時:令和6年7月 11 日(木)
(第 163 回

16:00~

先進医療技術審査部会)

令和6年9月 12 日(木) 16:00~

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