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資料3-11 和田先生提出資料 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00333.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第79回 4/6)《厚生労働省》
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〇繁華街における夜間滞留人口が実効再生産数と相関することが指摘されている(図
12)。東京都の深夜の滞留人口は 7 月 12 日に緊急事態宣言が発出され、お盆の
前後に向けて低下した他、前述したようにワクチン接種が進んだことで、感受性の
ある人口も減少した。
(3)その他
○都市部での感染減少が地方への波及を止めた可能性がある(図 17)。
○第 4 波の収束時においては、東京都心部に感染者が残存したが、第 5 波の収束時
には東京都全域で感染者数が減少し、都心部でも感染者残らなかったと考えられ
る(図 18-19)。
○ウイルスの特徴ならびに人の遺伝的な観点を含めた要因については十分に明らか
にされていない。
○新型コロナウイルス感染症の感染の広がりの特徴として、多くの感染者が二次感染
を起こさない一方で、一部の人が多くの人に感染させて大きな規模のクラスター
(super-spreading event(SSE)とも呼ばれる)を引き起こすことがあげられる。
このような感染症では感染連鎖のなかで SSE が継続的に起こることが伝播の維持
の条件となる。これまで国内でも、地域で感染者が増加する局面においては、飲食
の場面などで SSE が継続的に発生していたと考えられる。一方で SSE そのものの
発生が一定程度抑制されたり、SSE に関連する感染者数が減少したりすると、多く
の伝播が維持されずに感染者は減少に向かったと考えられる。
国内の第 5 波の流行では、流行中に若年層を含めたワクチン接種が進み、さらに
自然感染により免疫を獲得した人が増えていったことで一時的に SSE が起こりにく
い状況が生まれた可能性が考えられる。このような状況は Transient collective
immunity とも呼ばれているが、集団免疫(Herd immunity)とは異なり、人々の
行動パターンの変化などによって再流行が起こり得る状況とされている。なお、この
仮説は実証されたものではなく、あくまでも第 5 波の減少を説明する一つの仮説で
あ る 。 (Tkachenko AV et al. Time-dependent heterogeneity leads to
transient suppression of the COVID-19 epidemic, not herd immunity.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2021 Apr 27;118(17):e2015972118.)
【おわりに】
○それぞれの要因については、定性的には検討できるが、どの程度収束に寄与したか
という定量的な解を得ることは困難である。また、それぞれの研究には限界もあるが、
引き続き、学際的な観点から分析を行い、今後の対策に役立てることが必要である。
○なお、オミクロン株が主体の第 6 波において同じことが言えるとは限らず、オミクロン
株の特性も考慮して今後検討が必要である。
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