よむ、つかう、まなぶ。
感染症週報 2024年第52週(12月23日-12月29日) (11 ページ)
出典
公開元URL | https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2024.html |
出典情報 | 感染症週報 2024年第52週(12月23日-12月29日)(1/20)《国立感染症研究所》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
Infectious Diseases Weekly Report Japan
2024年 第52週
(12月23日〜 12月29日)
:通巻第26巻 第52号
表 2. 各シーズンの年齢群別の入院時の医療対応の実施状況:インフルエンザ入院サーベイランス
(2024/25 シーズンは第 52 週まで)
(2025 年 1 月 7 日現在)
入院時の
対応
年齢群
2018/19 シーズン
2023/24 シーズン
2024/25 シーズン
処置件数
処置割合
処置件数
処置割合
処置件数
処置割合
0〜14 歳
142
2.3%
215
2.5%
85
2.7%
15〜59 歳
117
5.2%
176
7.2%
162
10.3%
60 歳以上
622
4.1%
388
4.6%
316
4.5%
0〜14 歳
81
1.3%
118
1.4%
55
1.7%
15〜59 歳
86
3.8%
101
4.1%
89
5.6%
60 歳以上
474
3.1%
225
2.7%
158
2.2%
MRI
0〜14 歳
364
6.0%
407
4.8%
172
5.5%
又は
15〜59 歳
94
4.1%
79
3.2%
47
3.0%
脳波
60 歳以上
345
2.3%
188
2.2%
142
2.0%
ICU 利用
人工呼吸
器使用
注)処置割合:各年齢群の処置件数を表 1 に示すそれぞれのシーズンにおける各年齢群報告数で除して算出
各シーズンの年齢群別の入院時の医療対応状況を表 2 に示す。2024/25シーズンにおける
15~59歳の年齢群では、ICU利用及び人工呼吸器使用の年齢群別の処置割合は、2018/19シー
ズン第52週時点(ICU利用:2.4%、人工呼吸器使用2.4%)と比べ高い傾向であったが、他の年
齢群はほぼ同程度であった 。一方 、 M R I 又は脳波の年齢群別の処置割合については 、
2018/19シーズン第52週時点(0~14歳:6.8%、15~59歳:6.0%、60歳以上:3.2%)と比べ、
全体的に低かったが、特に15~59歳の年齢群では低い傾向が認められた。
なお、2024/25シーズンの流行開始時期は2018/19シーズンより早いため、解釈には注意が必
要である。
2. 急性脳炎におけるインフルエンザ脳症について
・サーベイランスの概要
急性脳炎(脳症を含む)は5類感染症全数把握疾患であり、意識障害を伴って死亡した者、ま
たは意識障害を伴って24時間以上入院した者のうち、①38℃以上の発熱、②中枢神経症状、
③先行感染症状の一つ以上の症状を呈した場合に診断される。診断した医師は診断から7日
以内に届出なければならない。本項におけるインフルエンザ脳症は、急性脳炎(脳症を含む)の
届出のうち、病型の病原体としてインフルエンザウイルスの記載があった報告例(以下、インフ
ルエンザ脳症)とした。
・インフルエンザ脳症報告数の推移
COVID-19流行前の2018/19シーズンはインフルエンザ脳症として234例(急性脳炎807例の
うち)が報告された(表3)。2020/21~2021/22シーズンでは、インフルエンザ定点当たり報告数
の減少が観察され、インフルエンザ脳症もそれぞれ0例、1例と減少した。これらにはCOVID19流行に伴う感染症対策等の影響が考えられる。2022/23シーズンからインフルエンザ定点当
Ministry of Health, Labour and Welfare / National Institute of Infectious Diseases
11
2024年 第52週
(12月23日〜 12月29日)
:通巻第26巻 第52号
表 2. 各シーズンの年齢群別の入院時の医療対応の実施状況:インフルエンザ入院サーベイランス
(2024/25 シーズンは第 52 週まで)
(2025 年 1 月 7 日現在)
入院時の
対応
年齢群
2018/19 シーズン
2023/24 シーズン
2024/25 シーズン
処置件数
処置割合
処置件数
処置割合
処置件数
処置割合
0〜14 歳
142
2.3%
215
2.5%
85
2.7%
15〜59 歳
117
5.2%
176
7.2%
162
10.3%
60 歳以上
622
4.1%
388
4.6%
316
4.5%
0〜14 歳
81
1.3%
118
1.4%
55
1.7%
15〜59 歳
86
3.8%
101
4.1%
89
5.6%
60 歳以上
474
3.1%
225
2.7%
158
2.2%
MRI
0〜14 歳
364
6.0%
407
4.8%
172
5.5%
又は
15〜59 歳
94
4.1%
79
3.2%
47
3.0%
脳波
60 歳以上
345
2.3%
188
2.2%
142
2.0%
ICU 利用
人工呼吸
器使用
注)処置割合:各年齢群の処置件数を表 1 に示すそれぞれのシーズンにおける各年齢群報告数で除して算出
各シーズンの年齢群別の入院時の医療対応状況を表 2 に示す。2024/25シーズンにおける
15~59歳の年齢群では、ICU利用及び人工呼吸器使用の年齢群別の処置割合は、2018/19シー
ズン第52週時点(ICU利用:2.4%、人工呼吸器使用2.4%)と比べ高い傾向であったが、他の年
齢群はほぼ同程度であった 。一方 、 M R I 又は脳波の年齢群別の処置割合については 、
2018/19シーズン第52週時点(0~14歳:6.8%、15~59歳:6.0%、60歳以上:3.2%)と比べ、
全体的に低かったが、特に15~59歳の年齢群では低い傾向が認められた。
なお、2024/25シーズンの流行開始時期は2018/19シーズンより早いため、解釈には注意が必
要である。
2. 急性脳炎におけるインフルエンザ脳症について
・サーベイランスの概要
急性脳炎(脳症を含む)は5類感染症全数把握疾患であり、意識障害を伴って死亡した者、ま
たは意識障害を伴って24時間以上入院した者のうち、①38℃以上の発熱、②中枢神経症状、
③先行感染症状の一つ以上の症状を呈した場合に診断される。診断した医師は診断から7日
以内に届出なければならない。本項におけるインフルエンザ脳症は、急性脳炎(脳症を含む)の
届出のうち、病型の病原体としてインフルエンザウイルスの記載があった報告例(以下、インフ
ルエンザ脳症)とした。
・インフルエンザ脳症報告数の推移
COVID-19流行前の2018/19シーズンはインフルエンザ脳症として234例(急性脳炎807例の
うち)が報告された(表3)。2020/21~2021/22シーズンでは、インフルエンザ定点当たり報告数
の減少が観察され、インフルエンザ脳症もそれぞれ0例、1例と減少した。これらにはCOVID19流行に伴う感染症対策等の影響が考えられる。2022/23シーズンからインフルエンザ定点当
Ministry of Health, Labour and Welfare / National Institute of Infectious Diseases
11