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感染症週報 2024年第52週(12月23日-12月29日) (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2024.html |
出典情報 | 感染症週報 2024年第52週(12月23日-12月29日)(1/20)《国立感染症研究所》 |
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Infectious Diseases Weekly Report Japan
2024年 第52週
(12月23日〜 12月29日)
:通巻第26巻 第52号
たり報告数の増加がみられた。インフルエンザ脳症も同様に増加し、2023/24シーズンには
191 例(急性脳炎 658 例のうち)が報告され、COVID-19 流行前と同等の報告数となった。
2024/25 シーズンは第 52 週までに 78 例のインフルエンザ脳症が届け出られており、これは
2018/19シーズン第52週時点の32例の報告数と比べて多かった。過去の報告からインフルエン
ザ脳症の報告数の推移はインフルエンザ定点当たり報告数の推移と関連していると考えられて
いる。2018/19シーズン第52週までの定点当たり累積報告数は27.83、2024/25シーズン第52週
までの定点当たり累積報告数が151.74であることも、2024/25シーズンのインフルエンザ脳症の
増加と関連していると考えられる。
2024/25シーズン第52週までに報告された78例のインフルエンザ脳症における年齢中央値は
7歳、四分位範囲は3〜9歳であり、15歳未満が91%(78例中71例)を占めた。性別は男性が
41例(53%)、女性が37例(47%)であった。検出されたインフルエンザウイルスはA型が65例
(83%)、血清型未記載が13例(17%)である(2025年1月7日現在)。なお、2018/19シーズンの第
52週時点の32例においては、年齢中央値は6歳、四分位範囲は4~8歳であった。15歳未満が
88%(32例中28例)を占め、患者の年齢層に関しては概ね同様であった。
表 3. 各シーズンにおける急性脳炎の届出数とインフルエンザ定点当たり報告数の累計
(2024/25 シーズンは第 52 週まで)
(2025 年 1 月 7 日現在)
2017/18
2018/19
2019/20
2020/21
2021/22
2022/23
2023/24
2024/25
急性脳炎の年間届出数
698
807
719
344
354
524
658
235
うち病型にインフルエンザ
と記載がある届出数
171
234
258
0
1
44
191
78
インフルエンザ定点当たり
報告数の累計
405.1
316.45
203.55
0.21
0.4
163.42
544.05
151.74
まとめ
2024/25シーズンのインフルエンザは定点当たり報告数が2024年第44週に全国的な流行開始
と判断される1.00を上回り、2024年第52週には64.39となった。また、基幹定点医療機関から
報告されるインフルエンザ入院サーベイランス報告数は、2024年第36~52週の累積報告数が
11,800例となった。年齢群別のICU利用及び人工呼吸器使用の処置割合は15~59歳において
2018/19シーズン第52週時点の同年齢群と比べ高い傾向であった。一方、5類全数把握疾患で
ある急性脳炎におけるインフルエンザ症例(インフルエンザ脳症)の報告数は、定点当たり報告
数の動向とおおむね同様の傾向で推移した。2024/25シーズンの発生動向は過去のシーズン
の発生動向とは異なる動きを示すことから、今後の定点当たりの報告数や入院サーベイラ
ンスにおけるインフルエンザによる入院患者数の動きやインフルエンザ脳症の動向に注視
する必要がある。
今後のインフルエンザの感染症発生動向に注意をしていただくとともに、これらの詳細な情
報と最新の状況については、以下を参照いただきたい。
Ministry of Health, Labour and Welfare / National Institute of Infectious Diseases
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2024年 第52週
(12月23日〜 12月29日)
:通巻第26巻 第52号
たり報告数の増加がみられた。インフルエンザ脳症も同様に増加し、2023/24シーズンには
191 例(急性脳炎 658 例のうち)が報告され、COVID-19 流行前と同等の報告数となった。
2024/25 シーズンは第 52 週までに 78 例のインフルエンザ脳症が届け出られており、これは
2018/19シーズン第52週時点の32例の報告数と比べて多かった。過去の報告からインフルエン
ザ脳症の報告数の推移はインフルエンザ定点当たり報告数の推移と関連していると考えられて
いる。2018/19シーズン第52週までの定点当たり累積報告数は27.83、2024/25シーズン第52週
までの定点当たり累積報告数が151.74であることも、2024/25シーズンのインフルエンザ脳症の
増加と関連していると考えられる。
2024/25シーズン第52週までに報告された78例のインフルエンザ脳症における年齢中央値は
7歳、四分位範囲は3〜9歳であり、15歳未満が91%(78例中71例)を占めた。性別は男性が
41例(53%)、女性が37例(47%)であった。検出されたインフルエンザウイルスはA型が65例
(83%)、血清型未記載が13例(17%)である(2025年1月7日現在)。なお、2018/19シーズンの第
52週時点の32例においては、年齢中央値は6歳、四分位範囲は4~8歳であった。15歳未満が
88%(32例中28例)を占め、患者の年齢層に関しては概ね同様であった。
表 3. 各シーズンにおける急性脳炎の届出数とインフルエンザ定点当たり報告数の累計
(2024/25 シーズンは第 52 週まで)
(2025 年 1 月 7 日現在)
2017/18
2018/19
2019/20
2020/21
2021/22
2022/23
2023/24
2024/25
急性脳炎の年間届出数
698
807
719
344
354
524
658
235
うち病型にインフルエンザ
と記載がある届出数
171
234
258
0
1
44
191
78
インフルエンザ定点当たり
報告数の累計
405.1
316.45
203.55
0.21
0.4
163.42
544.05
151.74
まとめ
2024/25シーズンのインフルエンザは定点当たり報告数が2024年第44週に全国的な流行開始
と判断される1.00を上回り、2024年第52週には64.39となった。また、基幹定点医療機関から
報告されるインフルエンザ入院サーベイランス報告数は、2024年第36~52週の累積報告数が
11,800例となった。年齢群別のICU利用及び人工呼吸器使用の処置割合は15~59歳において
2018/19シーズン第52週時点の同年齢群と比べ高い傾向であった。一方、5類全数把握疾患で
ある急性脳炎におけるインフルエンザ症例(インフルエンザ脳症)の報告数は、定点当たり報告
数の動向とおおむね同様の傾向で推移した。2024/25シーズンの発生動向は過去のシーズン
の発生動向とは異なる動きを示すことから、今後の定点当たりの報告数や入院サーベイラ
ンスにおけるインフルエンザによる入院患者数の動きやインフルエンザ脳症の動向に注視
する必要がある。
今後のインフルエンザの感染症発生動向に注意をしていただくとともに、これらの詳細な情
報と最新の状況については、以下を参照いただきたい。
Ministry of Health, Labour and Welfare / National Institute of Infectious Diseases
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