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「共有すべき事例」2022年No.2 (2 ページ)

公開元URL http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp
出典情報 「共有すべき事例」2022年No.2(4/6)《日本医療機能評価機構》
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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業

共 有 すべ き 事 例

2022年
No. 2
事例2

疑義照会・処方医への情報提供

投与量
【事例の詳細】
患者にフォシーガ錠5mg 1回1錠1日1回が処方された。投与量から糖尿病の治療目的である
と推測したが、患者に糖尿病治療薬が処方されたのは初めてであった。そこで、付き添いの
高齢者施設の看護師に確認したところ、心不全の治療薬として追加されたことが分かった。

慢性心不全の治療目的でフォシーガ錠を使用する場合は10mgを1日1回投与するため、処方医
に問い合わせた結果、フォシーガ錠10mg 1回1錠1日1回に変更になった。
【推定される要因】
処方医が、フォシーガ錠を慢性心不全の患者に使用する場合の投与量を把握していなかった
可能性がある。もしくは、慢性心不全の患者に投与する場合の投与量を把握していたが、処方
を入力する際に5mgと10mgの選択を間違えた可能性も考えられる。
【薬局での取り組み】
患者に初めて処方された薬剤を調剤する際は、患者から情報を聴取し、処方内容と合致するか
どうか検討する。疾患により用法・用量が異なる薬剤があることに留意する。フォシーガ錠の
効能・効果に慢性心不全が追加になった際に、製薬企業による勉強会を薬局内で行い、慢性
心不全の患者への投与量について理解していたことが、今回の疑義照会に役立った。今後も
積極的に勉強会や研修会に参加する。

事例

その他の
情報

事例の
ポ イ ント

フォシーガ錠5mg/10mgの添付文書 2021年8月改訂(第3版、効能変更)(一部抜粋)
6.用法及び用量
〈2型糖尿病〉
通常、成人にはダパグリフロジンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分
な場合には、経過を十分に観察しながら10mg1日1回に増量することができる。
〈慢性心不全、慢性腎臓病〉
通常、成人にはダパグリフロジンとして10mgを1日1回経口投与する。

●フ ォシーガ錠5mg/10mgは選択的SGLT2阻害剤として2型糖尿病治療薬の承認を取得し、2014年
5月に販売開始された薬剤である。その後、2019年3月に1型糖尿病、2020年11月に慢性心不全、
2021年8月に慢性腎臓病が効能・効果に追加された。
●フォシーガ錠5mg/10mgは使用目的により用量が異なるため、患者の疾患や使用目的を把握したうえで
処方監査を行うことが重要である。
●効能・効果の追加に伴い、用法及び用量や重要な基本的注意などが変更になることがあるため、その都度、
添付文書やインタビューフォーム、医薬品リスク管理計画(RMP)に基づく資材である医療従事者向け
ガイドなどの最新情報の収集に努める必要がある。
●本事例を報告した薬局では、フォシーガ錠5mg/10mgの効能・効果が追加になった際に薬局内で勉強会
を行っており、そこで得た知識が処方監査の際に活かされた。効能・効果に新たな疾患名が追加されるなど
添付文書に重要な変更があった際や、新薬が販売開始された際は、薬局で薬剤に関する研修会を開催する、
あるいは製薬企業による製品説明会などに参加するなどして知識を深めておくことは重要である。

公益財団法人 日本医療機能評価機構
医療事故防止事業部
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http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/

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