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かみ合っている奥歯の数が多い患者の方が抗がん剤治療中に栄養状態が悪化するのはなぜか?~歯科や栄養を含む専門家チームの早期介入の有無が鍵~ (2 ページ)

公開元URL https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1355.html
出典情報 岡山大学 プレスリリース(2/28)《岡山大学病院》
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PRESS RELEASE

■発表内容
<研究当時の状況>
栄養失調は、がん治療後の経過に悪影響を及ぼします。特に、食道がん患者では、栄養失調によ
る体重減少がよく見られます。食道がん治療中の栄養状態の悪化を予防することは、生命予後の改
善のために重要であり、対策が求められています。
研究当時、全ての食道がん手術を受ける患者に対して、多職種からなる周術期管理チーム 4)が術
前から介入していましたが、手術前の化学療法前から介入することはまれでした(図 1 上)
。全身
状態等に問題があるハイリスク患者に
対してのみ、特別に手術前の抗がん剤治
療前の早期から多職種チームが介入し
ていました。この時期に、
「手術前の抗
がん剤治療中の栄養状態(PNI)の悪化」
と関連する「歯科的な因子」について、
探索的に調査しました。
図 1 本研究実施当時と近年の周術期管理チームの介入
<研究成果の内容>
食道がん患者において、手術前の抗がん剤治療中に PNI が大きく減少することを確認しました
(図 2)。特に、かみ合っている奥歯の数が多い患者〈機能歯ユニット(FTU)11 以上〉では、少な
い患者よりも、有意に PNI が低下することが分かりました(図 3)


図 2 抗がん剤治療前後の PNI の差

図 3 かみ合っている奥歯の数が少ない患者群と多い患
者群の抗がん剤治療前後の PNI の差

さらに詳しく調べると、かみ合っている奥歯の数が少ない患者では、術前化学療法前の早期から
歯科や栄養の専門家がより
多く介入していたことが分

表 1 術前の抗がん剤治療中の早期の栄養介入や歯科介入の有無

かりました(表 1)
。かみ合
っている奥歯の数が少ない
患者は、口腔内の状態や栄
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