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キオスク血圧測定を推奨する声明 (3 ページ)

公開元URL https://www.jpnsh.jp/topics/816.html
出典情報 早朝高血圧徹底制圧宣言(4/3)《日本高血圧学会》
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日本高血圧学会

診断治療の確定的根拠に用いるべきではない。ただし、薬局での測定状況や測定結果を薬剤師がチ
ェックすることで、他科疾患の患者の高血圧を疑う、処方の副作用として現れる高血圧を確認する
などの意義がある。
キオスク血圧測定はさまざまな環境下で行われるが、自己測定であるため、日本高血圧学会の高
血圧治療ガイドラインが推奨する家庭血圧の測定環境にできる限り近付けると良い。すなわち、測
定前は飲酒や喫煙を避け、リラックスして 1-2 分の安静時間を取り、測定中は腕や身体を動かさ

ず、会話を交わさないことが求められる。特に、自動巻き付け式血圧計を用いた自宅での測定は、
家庭血圧の測定条件を遵守するべきである。なお、薬局や災害避難所での血圧測定値を診療の参考
に用いる場合、測定時刻、服薬の有無ならびに服薬時刻、血圧の測定場所や測定状況などを記録
し、専門家が参照することが望まれる。
上記より、キオスク血圧測定、また測定に用いるキオスク血圧計 (≒自動巻き付け式血圧計)に
は、測定手技や条件などさまざまな課題があるものの、スクリーニングの意義は高いと考えられ
る。さらに、キオスク血圧測定は家庭⾎圧測定とともに、あまねく国⺠が⾎圧を⾃⼰測定し、さら
に血圧測定の習慣化によって自分自身の健康意識の向上にも寄与すると期待される。現在、高血圧
でない者も、健診や職域測定を含めた広義のキオスク血圧測定をぜひ行って欲しい。また、高血圧
に携わる医療関係者には、キオスク血圧測定を含むさまざまな機会で血圧測定を推奨・実施し、科
学的見地に基づいて対応することをお願いしたい。なお、日本高血圧学会では、今まで高血圧を指
摘されたことがない方についても、測定する場所や方法にかかわらず収縮期血圧 130 mmHg 以上

をリスクが高い目安として、生活習慣の改善と朝の家庭血圧測定を勧める「血圧朝活」キャンペー
ンを展開している。

[註] 2015 年の WHL のステートメント (Campbell NRC et al. JCH 2015: 913)では、「Blood

pressure (BP) kiosks are “stations” where BP is automatically assessed by a device that is triggered
by the individual who is getting their BP assessed.」と定義している。また、2019 年の AHA の血圧

測定ステートメント (Muntner P et al. Hypertension 2019: e35)では、このステートメントを引用
しつつ、「Kiosks are stations where BP is assessed by a device that is triggered by the individual

desiring the measurement in the absence of a healthcare professional.」と述べている。ただし、後
者では血圧の自己測定が実施される家庭以外の場の例として「at work, a pharmacy, or a kiosk」を
挙げている。
2025 年 4 月 3 日
特定非営利活動法人 日本高血圧学会 理事長
苅尾 七臣

「早朝高血圧徹底制圧プロジェクト」推進委員

浅山 敬、 大久保孝義

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