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資料4-1 成長と分配の好循環実現に向けた社会保障改革(有識者議員提出資料) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0413/agenda.html |
出典情報 | 経済財政諮問会議(令和4年第4回 4/13)《内閣府》 |
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資料4-1
成長と分配の好循環実現に向けた社会保障改革
2022年4月13日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
ウクライナ情勢をはじめ、国際的な経済環境が大きく変化する中にあって、新型感染症の影
響も続いている。新型感染症によって経済を停滞させることのないよう、ワクチン接種を加速す
るとともに、本年6月策定予定の感染症対応の体制強化策に基づき、国の司令塔機能の強化
も含めて万全の体制を早急に構築すべき。
また、成長と分配の両面で、社会保障機能の強化は重要な役割を果たす。「人への投資」の
拡大を通じて成長を牽引し、健康・予防や医療・介護分野でDXを含めたイノベーション1を創発
し成長市場を拡大するとともに国民生活のQOLを高める。分配面では、全世代型社会保障の
下での現役世代の給付拡充・負担軽減、性別や正規非正規間の働き方の違いによる賃金格差
の是正を通じて、可処分所得を拡大することが重要。その際、人への投資について、制度や財
源ごとに仕組みが分かれていることで、子育てと仕事の両立、労働移動に向けた人的能力向
上の障害とならないよう、その改善に向けて早期に取り組むことが不可欠である。
同時に、社会保障分野でのDXの徹底を通じて、QOLや生産性を引き上げつつ財政負担を
抑制するよう、経済・財政一体改革を継続・強化すべきである。こうした認識に立ち、以下、提案
する。
1.セーフティネット強化と積極的労働市場政策による人への投資
若者、女性、高齢者など全ての人が、能力を最大限に発揮して活躍し、所得向上や雇用面で
の待遇改善を図ることが重要である。このためには、人手不足の状況の下、経済情勢を踏まえ
つつ、雇用維持から能力強化と兼業・副業を含む労働移動に重点を移していく必要があり、次
の改革に取り組むべき。
雇用保険の被保険者であっても受給資格を満たさない非正規雇用者の実態を把握し、例え
ば、失業給付要件の緩和2や職業訓練の充実等、セーフティネットの強化に万全を期すべき。
雇用保険の被保険者を対象とする「教育訓練給付」、「公共職業訓練」と、雇用保険を受給
できない者を対象とする「求職者支援制度」を、制度横断的に公平性や効果最大化の観点
から整理・見直しを行い、働く意思があれば、有業・無業、雇用形態を問わず、誰もがスキ
ルアップできるよう取組を強化すべき。また、内閣府・厚生労働省で進めている公共職業訓
練の効果分析の成果も活用しつつ、より効果的な積極的労働市場政策を実施すべき。
1
2
ゲノム医療、AI・ICT・ロボットの活用、PHRの推進、創薬分野を含めた量子コンピュータの活用、等
弱い立場にあると考えられる倒産、解雇等による非自発的離職者(特定受給資格者)について、失業給付の受給資格は「離職の
日以前1年間に被保険者期間が6か月以上ある」という要件を満たす必要があるのに対し、雇用保険への適用要件は「31日以上
引き続き雇用されることが見込まれる者」となっており、双方の要件にある期間の乖離が未受給の要因となっている可能性がある。
例えば、失業給付の受給資格について、特定受給資格者の被保険者期間の要件を6か月よりも短縮化することが考えられる。
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成長と分配の好循環実現に向けた社会保障改革
2022年4月13日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
ウクライナ情勢をはじめ、国際的な経済環境が大きく変化する中にあって、新型感染症の影
響も続いている。新型感染症によって経済を停滞させることのないよう、ワクチン接種を加速す
るとともに、本年6月策定予定の感染症対応の体制強化策に基づき、国の司令塔機能の強化
も含めて万全の体制を早急に構築すべき。
また、成長と分配の両面で、社会保障機能の強化は重要な役割を果たす。「人への投資」の
拡大を通じて成長を牽引し、健康・予防や医療・介護分野でDXを含めたイノベーション1を創発
し成長市場を拡大するとともに国民生活のQOLを高める。分配面では、全世代型社会保障の
下での現役世代の給付拡充・負担軽減、性別や正規非正規間の働き方の違いによる賃金格差
の是正を通じて、可処分所得を拡大することが重要。その際、人への投資について、制度や財
源ごとに仕組みが分かれていることで、子育てと仕事の両立、労働移動に向けた人的能力向
上の障害とならないよう、その改善に向けて早期に取り組むことが不可欠である。
同時に、社会保障分野でのDXの徹底を通じて、QOLや生産性を引き上げつつ財政負担を
抑制するよう、経済・財政一体改革を継続・強化すべきである。こうした認識に立ち、以下、提案
する。
1.セーフティネット強化と積極的労働市場政策による人への投資
若者、女性、高齢者など全ての人が、能力を最大限に発揮して活躍し、所得向上や雇用面で
の待遇改善を図ることが重要である。このためには、人手不足の状況の下、経済情勢を踏まえ
つつ、雇用維持から能力強化と兼業・副業を含む労働移動に重点を移していく必要があり、次
の改革に取り組むべき。
雇用保険の被保険者であっても受給資格を満たさない非正規雇用者の実態を把握し、例え
ば、失業給付要件の緩和2や職業訓練の充実等、セーフティネットの強化に万全を期すべき。
雇用保険の被保険者を対象とする「教育訓練給付」、「公共職業訓練」と、雇用保険を受給
できない者を対象とする「求職者支援制度」を、制度横断的に公平性や効果最大化の観点
から整理・見直しを行い、働く意思があれば、有業・無業、雇用形態を問わず、誰もがスキ
ルアップできるよう取組を強化すべき。また、内閣府・厚生労働省で進めている公共職業訓
練の効果分析の成果も活用しつつ、より効果的な積極的労働市場政策を実施すべき。
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2
ゲノム医療、AI・ICT・ロボットの活用、PHRの推進、創薬分野を含めた量子コンピュータの活用、等
弱い立場にあると考えられる倒産、解雇等による非自発的離職者(特定受給資格者)について、失業給付の受給資格は「離職の
日以前1年間に被保険者期間が6か月以上ある」という要件を満たす必要があるのに対し、雇用保険への適用要件は「31日以上
引き続き雇用されることが見込まれる者」となっており、双方の要件にある期間の乖離が未受給の要因となっている可能性がある。
例えば、失業給付の受給資格について、特定受給資格者の被保険者期間の要件を6か月よりも短縮化することが考えられる。
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