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資料3-8 岡部先生提出資料 (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第86回 6/1)《厚生労働省》 |
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2021 年夏には RS ウイルスが季節外れの大流行を起こして小児医療の現場が逼迫する事態
となった。また、現在世界で話題となっている原因不明の小児重症急性肝炎についても、コ
ロナ禍で生活様式が変化したことにより、
「感染症に罹ることが激減した子どもの自然免疫
力が低下し、しばらく感染が抑えられた中で感受性児が増えた状況で、アデノウイルス 41
型が流行し、これまでにない強い病原性を示すようになった」という仮説もある。日本でも
アデノウイルス 41 型は胃腸炎の原因として知られており、稀なウイルスではない。現在国
内においてアデノウイルス胃腸炎の流行的発生は報告されていないが、今後の発生動向に
は注意が必要である。
◎現状の問題点と今後の課題
以上より、健康な子どもたちの未来にわたる心と身体と社会的な健康を守るためには、過
度な感染予防策によって子どもたちの遊びと学びを奪うのではなく、周囲の大人達が適切
に感染対策を実施すると共に、重症化リスクのある人々が対策(適宜ワクチンを追加接種、
重症化リスクのある人が発症した場合は直ちに受診・検査・診断確定した後に抗ウイルス療
法、など)を取ることで対応すべきと考える。
今なお子どもたちの間で流行は続いており、新たな変異株への置き換わりによって次の
感染再拡大も予想される中、可及的速やかに、多方面にわたる関係者の意見も広く聞きなが
ら、子どものコロナの診療のあり方、さらにはコロナ禍における小児医療全般について、以
下のような論点を中心に、具体的な議論を引き続き深めていくとともに、中長期的な対応の
方策も検討することが望まれる。
① 小児に対応できるコロナ診療・検査医療機関を増やす。そのためには地域での小児医療
機関の連携、これに対する医師会・行政等のサポートが必要である。
② その際、小児では成人よりも診療・看護に多大な労力を必要とすることを考慮し、小児
医療における保険診療上の評価や各種措置の維持及び追加を行う。
③
発熱等の症状を訴える患者が非常に多い小児医療の現場で、コロナであろうとなかろ
うと容態の変わりやすい小児の診療が迅速かつ適切に行えるようにする必要がある。地
域によっては行政が最終的な入院判断を行う場合があるが、このような地域でも、入院の
判断において、診断した医師等の判断が尊重されるような体制を構築するべきである。こ
の体制においては地域医師会、地域小児科医会等が協力し、小児医療の現場で判断ができ
るようにするべきである。一部自治体、例えば、福岡市においては、入院要否の判断につ
いて、保健所と小児科医との連携を行っているほか、埼玉県では小児科医と県庁とで連携
し急ぐ場合には医師間で入院先の調整もできるようにしている例が参考になる。
④
養育者の受診判断をサポートするために、子どもの救急オンライン(http://kodomoqq.jp)や#8000番を市民に再周知し、その上で医学的に救急医療としての適応があ
る、あるいはそのように養育者が考えている場合は医療機関が応需する。
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となった。また、現在世界で話題となっている原因不明の小児重症急性肝炎についても、コ
ロナ禍で生活様式が変化したことにより、
「感染症に罹ることが激減した子どもの自然免疫
力が低下し、しばらく感染が抑えられた中で感受性児が増えた状況で、アデノウイルス 41
型が流行し、これまでにない強い病原性を示すようになった」という仮説もある。日本でも
アデノウイルス 41 型は胃腸炎の原因として知られており、稀なウイルスではない。現在国
内においてアデノウイルス胃腸炎の流行的発生は報告されていないが、今後の発生動向に
は注意が必要である。
◎現状の問題点と今後の課題
以上より、健康な子どもたちの未来にわたる心と身体と社会的な健康を守るためには、過
度な感染予防策によって子どもたちの遊びと学びを奪うのではなく、周囲の大人達が適切
に感染対策を実施すると共に、重症化リスクのある人々が対策(適宜ワクチンを追加接種、
重症化リスクのある人が発症した場合は直ちに受診・検査・診断確定した後に抗ウイルス療
法、など)を取ることで対応すべきと考える。
今なお子どもたちの間で流行は続いており、新たな変異株への置き換わりによって次の
感染再拡大も予想される中、可及的速やかに、多方面にわたる関係者の意見も広く聞きなが
ら、子どものコロナの診療のあり方、さらにはコロナ禍における小児医療全般について、以
下のような論点を中心に、具体的な議論を引き続き深めていくとともに、中長期的な対応の
方策も検討することが望まれる。
① 小児に対応できるコロナ診療・検査医療機関を増やす。そのためには地域での小児医療
機関の連携、これに対する医師会・行政等のサポートが必要である。
② その際、小児では成人よりも診療・看護に多大な労力を必要とすることを考慮し、小児
医療における保険診療上の評価や各種措置の維持及び追加を行う。
③
発熱等の症状を訴える患者が非常に多い小児医療の現場で、コロナであろうとなかろ
うと容態の変わりやすい小児の診療が迅速かつ適切に行えるようにする必要がある。地
域によっては行政が最終的な入院判断を行う場合があるが、このような地域でも、入院の
判断において、診断した医師等の判断が尊重されるような体制を構築するべきである。こ
の体制においては地域医師会、地域小児科医会等が協力し、小児医療の現場で判断ができ
るようにするべきである。一部自治体、例えば、福岡市においては、入院要否の判断につ
いて、保健所と小児科医との連携を行っているほか、埼玉県では小児科医と県庁とで連携
し急ぐ場合には医師間で入院先の調整もできるようにしている例が参考になる。
④
養育者の受診判断をサポートするために、子どもの救急オンライン(http://kodomoqq.jp)や#8000番を市民に再周知し、その上で医学的に救急医療としての適応があ
る、あるいはそのように養育者が考えている場合は医療機関が応需する。
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