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「共有すべき事例」2022年No.5 薬剤取り違え (3 ページ)
出典
公開元URL | http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2022_05.pdf |
出典情報 | 「共有すべき事例」2022年No.5(6/6)《日本医療機能評価機構》 |
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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業
共 有 すべ き 事 例
2022年
No. 5
事例 3
疑義照会・処方医への情報提供
手術前の服薬休止
【事例の詳細】
80歳代の患者に、バイアスピリン錠100mgが他の薬剤と一緒に30日分処方された。患者
から、手術の予定があること、手術を行う医師より手術予定日の7日前からバイアスピリン錠
100mgの服用を中止するよう指示されたことを聴取した。処方医に疑義照会を行ったところ、
バイアスピリン錠100mgの処方日数は23日分に変更になった。
【推定される要因】
処方医は継続している薬剤をそのまま処方したと考えられる。
【薬局での取り組み】
患者が手術前に服薬の休止が必要な薬剤を服用している場合は、手術の予定がないかを確認す
る。手術の予定がある場合は、手術予定日や服薬休止に関する医師の指示を聴き取ったうえで
休薬を開始する日を確認する。さらに、可能であれば休薬開始日に患者に電話し、服薬を中止
したかを確認する。
事例
バイアスピリン錠100mgの添付文書 2022年5月改訂(第3版)(一部抜粋)
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1.6 手術、心臓カテーテル検査又は抜歯前1週間以内の患者
手術、心臓カテーテル検査又は抜歯時の失血量を増加させるおそれがある。
その他の
情報
事例の
ポ イ ント
●手術・検査に伴い服薬を休止する可能性がある薬剤を患者に交付する際は、手術・検査の予定の有無やその
内容を確認する必要がある。そのためには、手術・検査の前後に服薬の休止を検討する必要がある薬剤を
リストアップし、それらの薬剤が処方された際の対応について業務手順を定め、薬局内で共有しておく必要
がある。
●抗血栓薬は、出血などのリスクを軽減する目的で手術・検査の前後に服薬休止の期間を設けることがある
が、その判断・対応は手術・検査の内容、患者の状態、処方医や医療機関により異なる。服薬を継続する
場合があることを理解したうえで、抗血栓薬を服用している患者に手術・検査の予定がある場合は、患者に
服薬休止について指示を受けているかを確認し、指示がなければ処方医、あるいは手術・検査を実施する
医療機関に問い合わせ、服薬休止の必要性の有無を確認することが重要である。
●手術・検査に伴い、継続して服用していた薬剤を休止した場合は、その後の患者の体調変化や手術・検査後
の薬剤の再開の有無や時期を確認することが重要である。
●本事業が2022年3月に公表した第26回報告書では、
「手術・検査に伴う服薬休止や再開に関連する疑義
照会や処方医への情報提供を行った事例」について分析を行った。出血する可能性がある手術・検査の他
にも、ヨード造影剤を使用する放射線検査やヘリコバクター・ピロリの除菌前後の検査などに関連した事例
を紹介している。
http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/report_2021_2_T002.pdf
●本事業部が運営している医療事故情報収集等事業が提供した医療安全情報No.149(2019年4月)では、
薬剤の中止の遅れにより手術・検査が延期になった事例を紹介している。
https://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_149.pdf
公益財団法人 日本医療機能評価機構
医療事故防止事業部
〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町1-4-17 東洋ビル
電話:03-5217-0281(直通) FAX:03-5217-0253(直通)
http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/
※この情報の作成にあたり、作成時における正確性については万全
を期しておりますが、その内容を将来にわたり保証するものではあり
ません。※この情報は、医療従事者の裁量を制限したり、医療従事者
に義務や責任を課す目的で作成されたものではありません。※この情
報の作成にあたり、薬局から報告された事例の内容等について、読み
やすくするため文章の一部を修正することがあります。そのため、
「事
例検索」で閲覧できる事例の内容等と表現が異なる場合があります
のでご注意ください。
共 有 すべ き 事 例
2022年
No. 5
事例 3
疑義照会・処方医への情報提供
手術前の服薬休止
【事例の詳細】
80歳代の患者に、バイアスピリン錠100mgが他の薬剤と一緒に30日分処方された。患者
から、手術の予定があること、手術を行う医師より手術予定日の7日前からバイアスピリン錠
100mgの服用を中止するよう指示されたことを聴取した。処方医に疑義照会を行ったところ、
バイアスピリン錠100mgの処方日数は23日分に変更になった。
【推定される要因】
処方医は継続している薬剤をそのまま処方したと考えられる。
【薬局での取り組み】
患者が手術前に服薬の休止が必要な薬剤を服用している場合は、手術の予定がないかを確認す
る。手術の予定がある場合は、手術予定日や服薬休止に関する医師の指示を聴き取ったうえで
休薬を開始する日を確認する。さらに、可能であれば休薬開始日に患者に電話し、服薬を中止
したかを確認する。
事例
バイアスピリン錠100mgの添付文書 2022年5月改訂(第3版)(一部抜粋)
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1.6 手術、心臓カテーテル検査又は抜歯前1週間以内の患者
手術、心臓カテーテル検査又は抜歯時の失血量を増加させるおそれがある。
その他の
情報
事例の
ポ イ ント
●手術・検査に伴い服薬を休止する可能性がある薬剤を患者に交付する際は、手術・検査の予定の有無やその
内容を確認する必要がある。そのためには、手術・検査の前後に服薬の休止を検討する必要がある薬剤を
リストアップし、それらの薬剤が処方された際の対応について業務手順を定め、薬局内で共有しておく必要
がある。
●抗血栓薬は、出血などのリスクを軽減する目的で手術・検査の前後に服薬休止の期間を設けることがある
が、その判断・対応は手術・検査の内容、患者の状態、処方医や医療機関により異なる。服薬を継続する
場合があることを理解したうえで、抗血栓薬を服用している患者に手術・検査の予定がある場合は、患者に
服薬休止について指示を受けているかを確認し、指示がなければ処方医、あるいは手術・検査を実施する
医療機関に問い合わせ、服薬休止の必要性の有無を確認することが重要である。
●手術・検査に伴い、継続して服用していた薬剤を休止した場合は、その後の患者の体調変化や手術・検査後
の薬剤の再開の有無や時期を確認することが重要である。
●本事業が2022年3月に公表した第26回報告書では、
「手術・検査に伴う服薬休止や再開に関連する疑義
照会や処方医への情報提供を行った事例」について分析を行った。出血する可能性がある手術・検査の他
にも、ヨード造影剤を使用する放射線検査やヘリコバクター・ピロリの除菌前後の検査などに関連した事例
を紹介している。
http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/report_2021_2_T002.pdf
●本事業部が運営している医療事故情報収集等事業が提供した医療安全情報No.149(2019年4月)では、
薬剤の中止の遅れにより手術・検査が延期になった事例を紹介している。
https://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_149.pdf
公益財団法人 日本医療機能評価機構
医療事故防止事業部
〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町1-4-17 東洋ビル
電話:03-5217-0281(直通) FAX:03-5217-0253(直通)
http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/
※この情報の作成にあたり、作成時における正確性については万全
を期しておりますが、その内容を将来にわたり保証するものではあり
ません。※この情報は、医療従事者の裁量を制限したり、医療従事者
に義務や責任を課す目的で作成されたものではありません。※この情
報の作成にあたり、薬局から報告された事例の内容等について、読み
やすくするため文章の一部を修正することがあります。そのため、
「事
例検索」で閲覧できる事例の内容等と表現が異なる場合があります
のでご注意ください。