よむ、つかう、まなぶ。
別紙5○【先進医療会議】先進医療の保険導入等の検討について (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00050.html |
出典情報 | 先進医療会議(第114回先進医療会議、第138回先進医療技術審査部会 9/8)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
先進医療会議での指摘事項に対する回答
先進医療の保険導入に係わる検討における指摘事項及びそれに対する対応について
先進医療技術名:高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術
2022 年 8 月 19 日
国立病院機構霞ヶ浦医療センター産婦人科・西田 正人
指摘事項
関係学会と連携して、当該技術の保険適応に係わるロードマップについて検討すること。
現在、当院(霞ヶ浦医療センター)を含む 6 施設で「高周波切除器を用いた子宮腺筋症
核出術」が先進医療として実施されています。その実績は、当院だけでも実施件数 2110 例、
主症状の月経痛と過多月経に対する効果は、術前 VAS:9.1 の月経痛が術後 VAS:1.0 と軽減
され、過多月経は全例で改善しました。5 年後の再発率も約 10%と低く抑えられています。
また、術後 442 例が妊娠し、既に 302 人の生児が誕生し、現在 26 例が妊娠中です。対象と
なる患者の多くが妊娠を希望していながら自然妊娠せず、体外受精不成功例であることを
考慮すると、本術式は腺筋症が原因と考えられる不妊・不育に対する治療法としても有効
と考えられます。このように、本術式は産婦人科医療の中で確固たる地位を占めています。
本術式に対する学会の見解ですが、日本産婦人科学会、日本産婦人科手術学会は公式に
「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」に対する見解は示していません。これは本術
式が「高周波切除器を用いた」と術式を限定しているため、その優越性の証明がなされて
いないためと考えられます。一方、日本産婦人科手術学会は日本産婦人科学会の指示の下、
本年の診療報酬改定にあたって、「先進医療以外の腹式の子宮腺筋症核出術」を外保連に申
請致しました。このことは学会として「子宮腺筋症核出術の必要性」は認めていることに
なります。
そこで、保険適応に向けたロードマップですが、2019 年2月 17 日に「子宮腺筋症の妊
孕性温存を考える会」が東京大学大須賀穣教授の主導で発足しました。この研究会は日本
産婦人科学会、日本生殖医学会、日本産婦人科手術学会、日本エンドメトリオージス学会
などの関連学会と連携しながら、子宮腺筋症の病態解明と治療法の確立を目指したもので
す。
現在コロナ禍で活動を休止していますが、この研究会の目的は、子宮腺筋症患者の症例
登録を実施し、診断の標準化、治療法の確立、各治療法(特に高周波切除器を用いた場合
と用いない場合)の優劣、治療後の妊娠率などを比較検討することとされています。子宮
腺筋症核出術において、高周波切除器を用いるべきか否かを論じるには、どうしても臨床
的な比較試験が必要です。今まで、様々な呼びかけを行ってきましたが、具体化できませ
んでした。今回、この様な研究会が立ち上がり、症例登録が実施されることになり、研究
会レベルでの比較検討がなされることになりました。その結果を踏まえて、どのように保
険適用を目指すかが議論されるものと考えます。
2
先進医療の保険導入に係わる検討における指摘事項及びそれに対する対応について
先進医療技術名:高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術
2022 年 8 月 19 日
国立病院機構霞ヶ浦医療センター産婦人科・西田 正人
指摘事項
関係学会と連携して、当該技術の保険適応に係わるロードマップについて検討すること。
現在、当院(霞ヶ浦医療センター)を含む 6 施設で「高周波切除器を用いた子宮腺筋症
核出術」が先進医療として実施されています。その実績は、当院だけでも実施件数 2110 例、
主症状の月経痛と過多月経に対する効果は、術前 VAS:9.1 の月経痛が術後 VAS:1.0 と軽減
され、過多月経は全例で改善しました。5 年後の再発率も約 10%と低く抑えられています。
また、術後 442 例が妊娠し、既に 302 人の生児が誕生し、現在 26 例が妊娠中です。対象と
なる患者の多くが妊娠を希望していながら自然妊娠せず、体外受精不成功例であることを
考慮すると、本術式は腺筋症が原因と考えられる不妊・不育に対する治療法としても有効
と考えられます。このように、本術式は産婦人科医療の中で確固たる地位を占めています。
本術式に対する学会の見解ですが、日本産婦人科学会、日本産婦人科手術学会は公式に
「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」に対する見解は示していません。これは本術
式が「高周波切除器を用いた」と術式を限定しているため、その優越性の証明がなされて
いないためと考えられます。一方、日本産婦人科手術学会は日本産婦人科学会の指示の下、
本年の診療報酬改定にあたって、「先進医療以外の腹式の子宮腺筋症核出術」を外保連に申
請致しました。このことは学会として「子宮腺筋症核出術の必要性」は認めていることに
なります。
そこで、保険適応に向けたロードマップですが、2019 年2月 17 日に「子宮腺筋症の妊
孕性温存を考える会」が東京大学大須賀穣教授の主導で発足しました。この研究会は日本
産婦人科学会、日本生殖医学会、日本産婦人科手術学会、日本エンドメトリオージス学会
などの関連学会と連携しながら、子宮腺筋症の病態解明と治療法の確立を目指したもので
す。
現在コロナ禍で活動を休止していますが、この研究会の目的は、子宮腺筋症患者の症例
登録を実施し、診断の標準化、治療法の確立、各治療法(特に高周波切除器を用いた場合
と用いない場合)の優劣、治療後の妊娠率などを比較検討することとされています。子宮
腺筋症核出術において、高周波切除器を用いるべきか否かを論じるには、どうしても臨床
的な比較試験が必要です。今まで、様々な呼びかけを行ってきましたが、具体化できませ
んでした。今回、この様な研究会が立ち上がり、症例登録が実施されることになり、研究
会レベルでの比較検討がなされることになりました。その結果を踏まえて、どのように保
険適用を目指すかが議論されるものと考えます。
2