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別紙5○【先進医療会議】先進医療の保険導入等の検討について (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00050.html
出典情報 先進医療会議(第114回先進医療会議、第138回先進医療技術審査部会 9/8)《厚生労働省》
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先進医療会議での指摘事項に対する回答
先進医療の保険導入に係る検討における指摘事項及びそれに対する対応について
先進医療技術名:粒子線治療(陽子線治療,重粒子線治療)
2022 年 8 月 19 日
日本放射線腫瘍学会・理事長
慶応義塾大学・医学部・放射線科学教室・茂松直之
日本放射線腫瘍学会・粒子線治療委員会・委員長
筑波大学・医学医療系・放射線腫瘍学・櫻井英幸
指摘事項
幅広い病期に対して実施されているが,患者背景等を踏まえた詳細な解析がなく,既存
治療との成績の比較が困難である.適応症ごとにエビデンスを検討すべきである.引き
続き症例集積の継続とデータの詳細な解析を行い,保険導入の可否判断に資するエビデ
ンスを構築すること.
現在実施中の粒子線治療については,2022 年 4 月現在,陽子線,重粒子線ともに 8 疾患
で先進医療を終了し保険収載されております.2022 年 4 月の診療報酬改定の後に,日本放
射線腫瘍学会(以下学会)は,先進医療 A として実施する疾患について適応症の整理を行
いました.すなわち先進医療 A として症例集積を継続しても,次期診療報酬改訂までに十
分な登録が期待できず,適応拡大申請に必要となる有効な解析が困難であると考えられた
疾患を適応症から削除し,陽子線では 7 領域 28 疾患の適応症を 6 領域 16 疾患に,重粒子
線では 6 領域 16 疾患を 6 領域 10 疾患に限定することといたしました.
適応症については,
学会のホームページに掲載するとともに,実施施設への周知を行いました.
2024 年の次期診療報酬改定に向けて保険導入の可否判断に資するエビデンスを構築する
ため,引き続き学会内に臓器別ワーキンググループを置き,標準治療である X 線による放
射線治療との比較を患者背景等と踏まえて解析し,年次提示報告の一部として提出する予
定です.本資料では,前向き試験開始から 5 年の経過観察が可能となった症例群があり,長
期の治療成績によりさらに信頼性の高いデータをお示しできると考えております.特に,こ
れまでの議論で構成員からご指摘のあった通り,有効性だけでなく有害事象の低減や QOL
等についても可能な限り解析結果を提示したいと考えています.
また,脳腫瘍,縦隔腫瘍などの稀少疾患および有害事象の低減が期待できる局所進行肺癌,
食道癌に関しては,モデルベースドアプローチの考え方を導入する予定としています.これ
は欧州で実際に粒子線治療の適応判断に用いられている手法であり,個々の患者で X 線な
らびに粒子線の線量分布から有害事象等の確率を予測することで,患者個別に有用性の比
較を可能とする方法です.今後,標準化,最適化の面で課題がございますので,国立がん研
究センター東病院を中心に班研究を立ち上げ検討を進めてゆく予定です.
継続的に実施しているシステマチックレビューでは,これまでの臨床的アウトカムの収
集を継続するとともに,疾患によっては医療経済評価に関する研究についても検討を進め
る予定でおります.

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