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実-2○第24回医療経済実態調査について (24 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000183534_00010.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 調査実施小委員会(第55回 10/26)《厚生労働省》
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(参考)令和4年度予算の編成等に関する建議(令和3年12月3日・財政制度等審議会)
イ)医療経済実態調査
令和4年度(2022 年度)診療報酬改定に向けて、11 月24 日に、病院、一般診療所、歯科診療所及び
保険薬局における医業経営等の実態を明らかにすることを目的とした「医療経済実態調査」(以下、「実
調」という)が診療報酬改定に向けた基礎資料として公表された28。しかし、調査対象期間中の新型コロ
ナの感染拡大の影響が大きく、前回の令和2年度(2020年度)診療報酬改定の影響を他と切り分けて把
握することは困難である。今回の調査では医療機関の経営の安定ぶりがうかがえるものの29、今まで述
べたような補助金を含めた医療機関の足もとの医業収入の状況をとらえきれているかも疑問がある。年
度末までの各診療行為のミクロの点数や算定要件の改定に向けては、そもそも主たる診療科別などの
サンプル数が少ない実調において、どのように改定の参考としていけるのか更に疑問が大きい。サンプ
ル数の少なさに加え、サンプルが調査の度に入れ替わり経年的な把握が困難であり、サンプルバイアス
なども指摘されている実調については、診療報酬改定を担当する当局が所管・実施している点を含め、
透明性を高め、統計的に有意なものにしていくべく、在り方の抜本的な見直しが必要である30。〔資料Ⅱ
-1-13 参照〕

__________
28 令和3年度(2021 年度)の実調では、①令和3年(2021 年度)3月末までに終了する直近2事業年(度)の年度調査、②令和元年(2019 年)、2年
(2020 年)、3年(2021 年)の3ヶ年の6月の単月調査が公表された。
29 一般病院(医療法人)の損益率について、新型コロナ関連の補助金込みで、令和元年度(2019 年度)1.8%から令和2年度(2020 年度)2.3%に改善し
ている。また、新型コロナ関連の補助金を抜いた数字で、令和2年(2020 年)6月の単月調査の▲1.3%から、令和3年(2021年)6月の単月調査では
0.5%へと改善している。この値は新型コロナ患者等の受入れ病床を割り当てられていない医療機関においては2.9%と更に安定した経営状況がうかが
える。一般診療所(医療法人)の損益率について、新型コロナ関連の補助金込みで、令和元年度(2019 年度)6.5%、令和2年度(2020 年度)4.2%と安定
した値となっているほか、新型コロナ関連の補助金を抜いた数字で、令和2年(2020 年)6月の単月調査の3.1%から、令和3年(2021 年)6月の単月調
査では8.3%へと改善している。個別の診療科をみても、小児科は15.6%、皮膚科は17.3%となっている。また、診療・検査医療機関に指定されていない
診療所においては9.9%と更に安定した経営状況がうかがえる。
30 「主たる診療科」別に利益率の経年推移を実調と全医療法人が提出している事業報告書(損益計算書等)のデータを比較すると、実調の結果が事業
報告書のデータと乖離しており、実調には、客体数が非常に少ないことによる偶然的な結果の振れや調査客体群が毎回異なる限界が一つの背景と
なって、全体でみても主たる診療科別にみても、利益率の経年変化状況が実調と実態とで経常的に大きく異なっているという分析がある(荒井耕、古井
健太郎「『主たる診療科』別の診療所損益把握の改善必要性」社会保険旬報9 月21 日)。〔資料Ⅱ-1-14 参照〕

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