よむ、つかう、まなぶ。
【資料No.3】エンシトレルビル フマル酸に関する日本感染症学会ガイドライン案 (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29325.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第5回 11/22)、医薬品第二部会(令和4年度第13回 11/22)(合同開催)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
<エンシトレルビル フマル酸(商品名:ゾコーバ錠)>
機序:エンシトレルビルは、SARS-CoV-2 のメインプロテアーゼに作用し、その働きを阻害することに
よりウイルスの増殖を阻害する。
国内での臨床報告:医学誌への査読された報告はないが、企業によるプレスリリースによれば、日本、
韓国、ベトナム医での臨床第 3 相試験では、重症化リスク因子やワクチン接種の有無に関わらず、1,812
例において、低用量と高用量でを 1 日 1 回、5 日間経口投与した際の臨床症状の改善効果を検証されて
いる。主要評価項目である、発症から 72 時間未満に割付された患者集団における、omicron 株流行期
に国内で共通してみられる特徴的な 5 症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳の呼吸器症状、熱っ
ぽさまたは発熱、けん怠感 (疲労感))の消失までの時間は、低用量投与群において、プラセボ群と
比較して約 24 時間短縮され、統計学的に有意な症状改善効果が確認された(p=0.04)。症状消失まで
の時間の中央値は、本薬の申請用量投与群では 167.9 時間、プラセボ群では 192.2 時間であった。また、
いずれの用量においても、重篤な副作用や死亡例の報告はなく、良好な忍容性と安全性が示された 23]。
投与方法(用法・用量):通常、12 歳以上の小児及び成人には、エンシトレルビルとして 1 日目は 375mg
を、2 日目から 5 日目は 125mg を 1 日 1 回経口投与する。
投与時の注意点:
1)
本剤は、COVID-19 の 5 つの症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳の呼吸器症状、熱っぽさま
たは発熱、倦怠感)への効果が検討された臨床試験における成績等を踏まえ、高熱・強い咳症状・
強い咽頭痛などの臨床症状がある者に処方を検討すること。また、本剤の処方の対象者に関して
は、今後の臨床試験等の結果も踏まえた検討が必要となる。
2)
重症度の高い COVID-19 患者に対する有効性は確立していない。なお、重症度が高いとは、概ね
中等症Ⅱ以上が該当すると考えられる。
3)
「3. 抗ウイルス薬等の対象と開始のタイミング」の項(p.2)にも記載している通り、一般に、重
症化リスク因子のない軽症例では薬物治療は慎重に判断すべきということに留意して使用するこ
と。
4)
本剤においては、重症化リスク因子のある軽症例に対して、重症化抑制効果を裏付けるデータは
得られていない。
5)
本剤の有効性は症状発現から 3 日目までに投与開始された患者において推定されており、SARSCoV-2 による感染症の症状が発現してから遅くとも 72 時間以内に初回投与すること。
6)
本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中の全ての薬剤を確認すること。また、
本剤で治療中に新たに他の薬剤を追加する場合、相互作用を確認すること。本剤は、CYP3A 誘導
薬との併用に係る薬物相互作用、CYP3A に対する強い阻害作用、P-gp、BCRP、OATP1B1、OATP1B3
に対する阻害作用などを有するため、薬物間相互作用に注意する。
7)
妊婦又は妊娠する可能性のある女性には投与しないこと。
問診で直前の月経終了日以降に性交渉を行っていないことを確認する。妊娠の可能性が否定
できない場合は、本剤を投与しないこと。
投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認することが望ましい。なお、妊娠初期は
妊娠検査で陰性を示す可能性があることに注意する。
2 /2 3
機序:エンシトレルビルは、SARS-CoV-2 のメインプロテアーゼに作用し、その働きを阻害することに
よりウイルスの増殖を阻害する。
国内での臨床報告:医学誌への査読された報告はないが、企業によるプレスリリースによれば、日本、
韓国、ベトナム医での臨床第 3 相試験では、重症化リスク因子やワクチン接種の有無に関わらず、1,812
例において、低用量と高用量でを 1 日 1 回、5 日間経口投与した際の臨床症状の改善効果を検証されて
いる。主要評価項目である、発症から 72 時間未満に割付された患者集団における、omicron 株流行期
に国内で共通してみられる特徴的な 5 症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳の呼吸器症状、熱っ
ぽさまたは発熱、けん怠感 (疲労感))の消失までの時間は、低用量投与群において、プラセボ群と
比較して約 24 時間短縮され、統計学的に有意な症状改善効果が確認された(p=0.04)。症状消失まで
の時間の中央値は、本薬の申請用量投与群では 167.9 時間、プラセボ群では 192.2 時間であった。また、
いずれの用量においても、重篤な副作用や死亡例の報告はなく、良好な忍容性と安全性が示された 23]。
投与方法(用法・用量):通常、12 歳以上の小児及び成人には、エンシトレルビルとして 1 日目は 375mg
を、2 日目から 5 日目は 125mg を 1 日 1 回経口投与する。
投与時の注意点:
1)
本剤は、COVID-19 の 5 つの症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳の呼吸器症状、熱っぽさま
たは発熱、倦怠感)への効果が検討された臨床試験における成績等を踏まえ、高熱・強い咳症状・
強い咽頭痛などの臨床症状がある者に処方を検討すること。また、本剤の処方の対象者に関して
は、今後の臨床試験等の結果も踏まえた検討が必要となる。
2)
重症度の高い COVID-19 患者に対する有効性は確立していない。なお、重症度が高いとは、概ね
中等症Ⅱ以上が該当すると考えられる。
3)
「3. 抗ウイルス薬等の対象と開始のタイミング」の項(p.2)にも記載している通り、一般に、重
症化リスク因子のない軽症例では薬物治療は慎重に判断すべきということに留意して使用するこ
と。
4)
本剤においては、重症化リスク因子のある軽症例に対して、重症化抑制効果を裏付けるデータは
得られていない。
5)
本剤の有効性は症状発現から 3 日目までに投与開始された患者において推定されており、SARSCoV-2 による感染症の症状が発現してから遅くとも 72 時間以内に初回投与すること。
6)
本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中の全ての薬剤を確認すること。また、
本剤で治療中に新たに他の薬剤を追加する場合、相互作用を確認すること。本剤は、CYP3A 誘導
薬との併用に係る薬物相互作用、CYP3A に対する強い阻害作用、P-gp、BCRP、OATP1B1、OATP1B3
に対する阻害作用などを有するため、薬物間相互作用に注意する。
7)
妊婦又は妊娠する可能性のある女性には投与しないこと。
問診で直前の月経終了日以降に性交渉を行っていないことを確認する。妊娠の可能性が否定
できない場合は、本剤を投与しないこと。
投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認することが望ましい。なお、妊娠初期は
妊娠検査で陰性を示す可能性があることに注意する。
2 /2 3