よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料3-9 今村先生提出資料 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (第111回 12/21)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

医療提供体制における類型見直しに関する論点や課題の整理
都立駒込病院感染症科 今村顕史
【オミクロン株の特徴と医療提供体制】
新型コロナウイルス感染症は、オミクロン株が中心となったことで、重症化率や死亡率の
低下が示されてきている。しかしその一方で、極めて高い伝播性や免疫逃避性を維持してお
り、今後も大規模な感染拡大を繰り返すことが予想される。仮に死亡率が低下しても、高い
感染者数が持続すれば死亡者数は増えていく。この圧倒的な数の増加への医療現場におけ
る対応は、今後の類型見直しによる移行期においても、当面は重大な課題となる。
【オミクロン株による患者像徴】
<重症化のハイリスク層>
新型コロナウイルス感染症においては、発生当初から高齢者や基礎疾患のある人におい
て、重症化率や死亡率の高いことが示されてきた。その傾向については、オミクロン株とな
っても変わっておらず、現在も高齢者が入院患者の中心となっている。
<オミクロン株における臨床像>
一方で、オミクロン株への移行によって入院となる原因は変化してきている。ウイルス性
肺炎は減少したが、二次性の細菌性肺炎や誤嚥性肺炎が増加している。さらに、最近は心血
管疾患との関連も示されてきている。また、既往合併症の増悪、ADL の悪化など、ウイル
ス性肺炎の基準としては軽症でも、看護度が高く治療継続が必要な高齢者の増加が、入院医
療への大きな負荷となっている。
【高齢者に対する治療の意義】
高齢の感染者であっても、適切な入院治療の対応によって、その多くは改善が期待できる。
そして、その結果が今後の死亡者数に大きく影響することになる。適切な入院治療を行って
いくためにも、感染者数の増加に対応できる受け入れ体制の維持は必要である。そのために
は、入院医療だけでなく、外来診療、在宅医療、そして介護施設等を対象とした総合的な対
策を継続することが重要である。
【圧倒的な数に対応するための施策】
これまでの流行においても、感染拡大による圧倒的な数の増加は、各地域の医療提供体制
に大きな影響を与えてきた。その負荷を少しでも軽減するために、できるだけ少ない人員で
多くの患者を診療する工夫など、これまでにも以下のような様々な施策が楔(くさび)として
打たれてきた。

1