（案）

➢

1

従来型ワクチンの接種でも、交差免疫の獲得によると考えられるオミクロン株に対する中和

2

抗体価の上昇が見られるが、オミクロン株対応２価ワクチンを接種した方が、オミクロン株に

3

対して、より高く中和抗体価が上昇するとの報告も見られる。（参考資料４-６Ｐ）

4

○

免疫記憶の持続期間について、

5

➢

３回の従来型ワクチン接種後６ヶ月まで記憶リンパ球を計測したデータ、

6

➢

変異株発生前の感染者を対象として、１年近くまで記憶リンパ球を計測したデータ、

7

が報告されており、いずれにおいても記憶リンパ球は維持されていると報告されている。
（参考資

8

料 11－13Ｐ）

9

○

免疫刷り込みと呼ばれる現象も指摘されている。この現象では、従来株の抗原に曝露した結果、

10

従来株に特異的な中和抗体や従来株と変異株のいずれにも作用する抗体（交差抗体）が誘導され

11

る一方で、変異株に特異的な中和抗体が誘導されづらくなることが想定される。オミクロン株対

12

応２価ワクチン接種後、オミクロン株に対して、期待していたほど中和抗体価が上昇しないこと

13

については、この免疫刷り込み現象による可能性も考えられる。（参考資料 14-15Ｐ）

14

○

一般的に、一度獲得した免疫の刷り込みの影響を打ち消すことは困難と言われているが、仮に

15

オミクロン株単価ワクチンを繰り返し接種した場合、昨年秋から開始している従来株とオミクロ

16

ン株との２価ワクチン接種時にみられたことと同様の現象が生じるか否か、また、基礎データで

17

示唆される免疫刷り込み現象や免疫記憶の持続性が臨床的にどういった効果を及ぼすか等につい

18

ては不明確であり、今後の知見が求められる。

19
20

（３）ワクチンの有効性に関する疫学的知見について

21

○

従来株ワクチンの有効性については、長期の追跡データが報告されている。オミクロン株流行
下において、

22
23

・入院予防効果については、６ヶ月程度（接種 4-5 ヶ月後で 66%、接種 6-7 ヶ月後で 41%）
、あるい

24

は１年程度（接種 9-11 ヶ月後で 51.1%、接種 12-14 ヶ月後で 52.3%、呼吸器疾患と診断された

25

２日以上の入院を防ぐ効果）、

26

・死亡予防効果については、40 週間以上（接種 25-39 週間後で 62.6%、接種 40 週間以降で 56.9%）
、

27

といずれも一定程度保たれたことが報告されている。（参考資料 16-21Ｐ）

28

○

オミクロン株対応２価ワクチンの有効性についても、発症予防効果及び重症化予防効果（入院
2