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「共有すべき事例」2023年No.3 注射薬のデバイス間違い (2 ページ)

公開元URL https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2023_03.pdf
出典情報 「共有すべき事例」2023年No.3(3/30)《日本医療機能評価機構》
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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業

共 有 すべ き 事 例

2 0 2 3年
No. 3
事例2

調剤

交付時の説明間違い
【事例の詳細】
80歳代の患者にロケルマ懸濁用散分包5gが処方されていた。患者から、ロケルマ懸濁用散分
包5gを懸濁して服用したところ口腔内に広がって不快に感じたため、懸濁せず服用しているこ
とを聴き取った薬剤師Aは、オブラートに包んで服用し、その後に水で流し込んでみてはどう
かと提案した。次に患者が来局した際に対応した薬剤師Bは、前回の薬剤服用歴から、患者が
オブラートを使ってロケルマ懸濁用散分包5gを服用していることを確認し、そのまま継続する
ように指導した。薬剤を交付後、薬剤師Bが薬剤服用歴を入力する際、ロケルマ懸濁用散分包
5gの添付文書を確認したところ、オブラートの使用は不適切であり、水に懸濁して服用する必
要があることに気付いた。
【背景・要因】
ロケルマ懸濁用散分包5gは薬局で取り扱う機会の少ない薬剤であったため、薬剤師の知識が不
足していた。また、薬剤をオブラートで包んで飲み込んだ後に水を服用すれば、懸濁しなくて
も問題ないだろうとの思い違いがあった。薬剤を交付する際、患者に確認すべき事項が多数あり、
添付文書に記載されているロケルマ懸濁用散分包5gの服用方法の確認を怠った。
【薬局から報告された改善策】
知識が不足している薬剤を調剤する際は、添付文書を確認する。

事例

その他の
情報

事例の
ポ イ ント

ロケルマ懸濁用散分包5g/10gの添付文書 2022年11月改訂(第2版)(一部抜粋)
14.適用上の注意
14.1 薬剤交付時の注意
以下の点について患者に指導すること。
14.1.1 分包内の全ての薬剤を容器に空け、約45mLの水に懸濁すること。
14.1.2 本剤は溶解しないため、十分に懸濁し、沈殿する前に服用すること。沈殿した場合は、
再び懸濁して服用すること。服用後に容器に本剤が残っていないことを確認すること。
14.1.3 懸濁後の薬剤は保管せず、廃棄すること。

●ロケルマ懸濁用散は、消化管内においてカリウムイオンを選択的に捕捉して糞中に排泄させ
ることにより血清カリウム濃度を低下させる薬剤である。水に溶解しないため、消化管内で
拡散して適切に排泄されるよう、適量の水で用時懸濁して服用する。
●本事例は、薬剤師が添付文書等を十分に確認せず、患者に誤った服用方法を指導した事例で
ある。薬剤師は、知識が不足している薬剤が処方された際は、患者に交付する前に添付文書
等を確認した上で、処方監査や服薬指導を行う必要がある。
●患者から薬剤の服用に関して相談を受けた場合に、薬剤師のみの判断で対応できるか否かを
検討することも重要である。薬物動態や薬理作用の観点から適切な服用方法を指導しても
患者が指示通りに服用できない場合は、疑義照会やトレーシングレポート等で医師に情報提供
し、患者にとって最適な薬物治療となるよう、医療機関と連携して対応することが大切である。

公益財団法人 日本医療機能評価機構
医療事故防止事業部
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https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/

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報の作成にあたり、薬局から報告された事例の内容等について、読み
やすくするため文章の一部を修正することがあります。そのため、
「事
例検索」で閲覧できる事例の内容等と表現が異なる場合があります
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