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「共有すべき事例」2023年No.3 注射薬のデバイス間違い (3 ページ)

公開元URL https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2023_03.pdf
出典情報 「共有すべき事例」2023年No.3(3/30)《日本医療機能評価機構》
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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業

共 有 すべ き 事 例

2 0 2 3年
No. 3
事例 3

調剤

吸入剤の説明不足
【事例の詳細】
80歳代の患者にビレーズトリエアロスフィア56吸入が処方され、薬剤師は薬剤に同封されている指導箋を
もとに、吸入の方法を説明した。次の日、患者から、
「吸入剤を使用したところ薬剤が噴霧されず、何回も
繰り返しプッシュしたら何も出なくなった」と薬局に電話があった。薬剤師が患者宅を訪問して状況を確認
すると、患者は吸入剤を本来とは逆向きに握って吸入口が上になる状態で使用していた。製薬企業に問い合
わせたところ、当該薬剤は吸入口を上にして使用するとガスのみが噴射され、薬剤は噴霧されないことが分
かった。
【背景・要因】
薬剤師は、患者が指導箋の図の通りに使用するだろうと思い込み、吸入剤の向きについて指導しなかった。
薬剤に同封されている指導箋には、吸入口を上にしての使用は不可であることの記載がなかった。
【薬局から報告された改善策】
吸入剤の使用方法を指導する際、患者が製剤の特性を理解できるように説明する。また、この事例について
製薬企業に情報提供を行った。

事例

ビレーズトリエアロスフィア56吸入/120吸入の患者向医薬品ガイド(2022年5月作成)(一部抜粋)

その他の
情報

https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/guide/ph/670227_2290805G1027_1_01G.pdf

事例の
ポ イ ント

●ビレーズトリエアロスフィアは、加圧式定量噴霧吸入器による吸入剤である。吸入口を下にしてボタンを
押すと、ボンベ内のガスの圧力で液状の薬剤がエアロゾル化して、一定量が噴霧される仕組みである。
●本事例は、薬剤師が指導箋を用いて吸入剤の使い方を指導したが、患者は十分に理解しておらず正しい方法
で吸入できなかった事例である。薬剤師は、患者が吸入剤を正しく使用できるように、不適切な使用方法
も含めて説明し、患者の理解を深めることが望ましい。
●吸入剤の指導箋が、分かりやすく図解されたものであっても、薬剤師は、練習用の器具等を活用して実際に
薬局で使用してもらい、患者が吸入剤を問題なく使用できるかどうか確認する必要がある。また、交付後に
患者へ連絡して正しく使用できているかフォローアップを行うことも吸入剤の適正使用のために有用である。

公益財団法人 日本医療機能評価機構
医療事故防止事業部
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電話:03-5217-0281(直通) FAX:03-5217-0253(直通)
https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/

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