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資料2-2 ノルトリプチリン含有製剤におけるニトロソアミン類混入リスク評価に関する件(企業見解) (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33471.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和5年度第3回 6/7)《厚生労働省》 |
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おらず早急なN-ニトロソノルトリプチリンの含量低減化が困難であることから、当面の間この許容限度値を
下回る製剤が出荷できる見込みはありません。一方、ノルトリプチリン製剤は、投与量の急激な減量ないし
投与の中止により嘔気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害等の離脱症状が発現する可能性のあ
ることが知られていることから、医療現場において他剤への切替え等がされるまでの当面の間は、本剤への
患者アクセスを確保する必要があり、当該製剤の供給を継続する必要があると考えております。そこで、服
用される患者様の過剰なN-ニトロソノルトリプチリン曝露は避ける必要があることから、当面の間、出荷す
る製剤に対し暫定管理値を設定するべきと考え、その検討を行いました。
N-ニトロソノルトリプチリンの暫定管理値を設定するため、DNA反応性を示すニトロソアミン構造を含む
部分構造を有する類似化合物として、N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)及びN-ニトロソメチルエチルア
ミン(NMEA)、並びにN-ニトロソメチルプロピルアミン構造(図2)を有する物質を選択して、Lhasa
Carcinogenicity Databaseによりデータを収集(N-ニトロソメチルプロピルアミンについては文献情報から算出)
し、それらのTD50値を比較しました(表2)。
対象とした化合物群のTD50値は、0.00797~2.37(単位はmg/kg/day、以下本段落中では同じ)と大きな幅が
あり、平均値は0.751、中央値は0.370となりました。ニトロソアミン部の側鎖の影響度については、置換基を
メチル基(NDMA)からエチル基(NMEA)、プロピル基と伸長させた場合、そのTD50値は、0.0959、0.0503、
0.203となり、側鎖の長さとTD50値に明確な相関は認められませんでした。また、芳香環やヒドロキシル基、
カルボニル基を有する、より長鎖の化合物についても、側鎖の性質とTD50値との間の明確な相関は認められ
ませんでした。
対象化合物群において、置換基とTD50値に明確な相関がみられず、またTD50値に大きな幅があったことか
ら、暫定管理値の指標としては側鎖の影響をできるだけ排除した化合物が適切と考え、本対象化合物群のう
ち最も単純な部分構造であり、対象化合物群の中ではTD50値の小さい化合物であるNDMAを選択することに
しました。
表2 N-ニトロソノルトリプチリンのニトロソアミン部分と構造が類似の化合物のTD50値*1
化学名
TD50 mg/kg/day
N-Nitrosomethylphenethyl-amine (NMPEA)
0.00797
N-Nitrosodimethylamine (NDMA)
0.0959
N-Nitrosomethylethylamine (NMEA)
0.0503
N-Nitrosomethylpropylamine
0.203*2
3-(Methylnitrosoamino)-1-propanol
1.66
Nitrosomethyl-3-carboxypropylamine
0.982
4-(Methylnitrosoamino)-1-(3-pyridinyl)-1-butanone
0.0999
4-(Methylnitrosoamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanol
0.103
N-Methyl-N-nitroso-1-decanamine
1.26
N-Methyl-N-nitroso-1-undecanamine
2.37
Methyldodecylnitrosamine
0.537
N-Nitroso-N-methyltetradecylamine
1.65
平均値
0.751
中央値
0.370
下回る製剤が出荷できる見込みはありません。一方、ノルトリプチリン製剤は、投与量の急激な減量ないし
投与の中止により嘔気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害等の離脱症状が発現する可能性のあ
ることが知られていることから、医療現場において他剤への切替え等がされるまでの当面の間は、本剤への
患者アクセスを確保する必要があり、当該製剤の供給を継続する必要があると考えております。そこで、服
用される患者様の過剰なN-ニトロソノルトリプチリン曝露は避ける必要があることから、当面の間、出荷す
る製剤に対し暫定管理値を設定するべきと考え、その検討を行いました。
N-ニトロソノルトリプチリンの暫定管理値を設定するため、DNA反応性を示すニトロソアミン構造を含む
部分構造を有する類似化合物として、N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)及びN-ニトロソメチルエチルア
ミン(NMEA)、並びにN-ニトロソメチルプロピルアミン構造(図2)を有する物質を選択して、Lhasa
Carcinogenicity Databaseによりデータを収集(N-ニトロソメチルプロピルアミンについては文献情報から算出)
し、それらのTD50値を比較しました(表2)。
対象とした化合物群のTD50値は、0.00797~2.37(単位はmg/kg/day、以下本段落中では同じ)と大きな幅が
あり、平均値は0.751、中央値は0.370となりました。ニトロソアミン部の側鎖の影響度については、置換基を
メチル基(NDMA)からエチル基(NMEA)、プロピル基と伸長させた場合、そのTD50値は、0.0959、0.0503、
0.203となり、側鎖の長さとTD50値に明確な相関は認められませんでした。また、芳香環やヒドロキシル基、
カルボニル基を有する、より長鎖の化合物についても、側鎖の性質とTD50値との間の明確な相関は認められ
ませんでした。
対象化合物群において、置換基とTD50値に明確な相関がみられず、またTD50値に大きな幅があったことか
ら、暫定管理値の指標としては側鎖の影響をできるだけ排除した化合物が適切と考え、本対象化合物群のう
ち最も単純な部分構造であり、対象化合物群の中ではTD50値の小さい化合物であるNDMAを選択することに
しました。
表2 N-ニトロソノルトリプチリンのニトロソアミン部分と構造が類似の化合物のTD50値*1
化学名
TD50 mg/kg/day
N-Nitrosomethylphenethyl-amine (NMPEA)
0.00797
N-Nitrosodimethylamine (NDMA)
0.0959
N-Nitrosomethylethylamine (NMEA)
0.0503
N-Nitrosomethylpropylamine
0.203*2
3-(Methylnitrosoamino)-1-propanol
1.66
Nitrosomethyl-3-carboxypropylamine
0.982
4-(Methylnitrosoamino)-1-(3-pyridinyl)-1-butanone
0.0999
4-(Methylnitrosoamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanol
0.103
N-Methyl-N-nitroso-1-decanamine
1.26
N-Methyl-N-nitroso-1-undecanamine
2.37
Methyldodecylnitrosamine
0.537
N-Nitroso-N-methyltetradecylamine
1.65
平均値
0.751
中央値
0.370