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参考資料6_第4期がん対策推進基本計画(令和5年3月) (32 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33877.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第12回 6/28)《厚生労働省》
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⑧ 妊孕性温存療法について
(現状・課題)
よう

がん治療によって主に卵巣、精巣等の機能に影響を及ぼし、妊孕性が低下する
ことは、将来こどもを産み育てることを望む小児・AYA世代のがん患者にとっ
て大きな課題である。患者体験調査等によると、治療開始前に、生殖機能への影
響に関する説明を受けたがん患者・家族の割合は、成人(40 歳未満)で平成 30
(2018)年度において 52.0%、小児で令和元(2019)年において 53.8%となっ
ている。
妊孕性温存療法として、胚(受精卵)、未受精卵子、卵巣組織、精子を採取し
長期的に凍結保存することは、高額な自費診療であり、がん患者等にとって経済
的負担となっているほか、未受精卵子凍結や卵巣組織凍結については、有効性等
の更なるエビデンス集積が求められている。
このような状況を踏まえ、国は、令和3(2021)年度から、
「小児・AYA世
代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」
(以下「研究促進事業」という。)
を開始し、有効性等のエビデンス集積を進めつつ、若いがん患者等が希望を持っ
て治療等に取り組み、将来こどもを持つことの希望をつなぐ取組を行っている。
令和4(2022)年度からは、がん患者等で妊孕性温存療法を行った者が、その後
妊娠を希望する際に凍結保存した検体を用いる生殖補助医療(保存後生殖補助
医療)も当該事業の対象となっている。
また、がん治療前だけでなく、がん治療後も長期間にわたって、がん・生殖医
療に関する情報・相談支援を継続的に提供できる体制の整備が求められている。
令和4(2022)年整備指針改定において、拠点病院等には各地域のがん・生殖
医療ネットワークに加入し、研究促進事業へ参画すること、妊孕性温存療法及び
がん治療後の生殖補助医療に関する情報提供及び意思決定支援を行う体制を整
備することを求めている。
(取り組むべき施策)
国は、適切ながん・生殖医療の提供を推進するため、がん医療と生殖医療の連
携の下、がん治療が妊孕性に与える影響に関する説明と、妊孕性温存療法及びが
ん治療後の生殖補助医療に関する情報提供や意思決定の支援が、個々の患者の
状態に応じて適切に行われるよう、人材育成等の体制整備を推進するとともに、
研究促進事業を通じたエビデンス創出に引き続き取り組む。
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