[診療報酬] 緩和ケア関連報酬、500床以上病院で多い傾向 日本アルトマーク
今回のポイント
●日本アルトマーク社が8月30日にまとめた調査結果によると、【緩和ケア診療加算】、【外来緩和ケア管理料】の算定病院は500床以上の大規模病院に多いことがわかった○半年前の算定病院数から大きな変動はなく、緩和ケアチームの設置の算定要件が厳しいために算定病院数が伸び悩んでいると推測
○【緩和ケア診療加算】は秋田県、富山県、【外来緩和ケア管理料】は秋田県、富山県、香川県に算定病院がない
【緩和ケア診療加算】、【外来緩和ケア管理料】の算定病院は500床以上の大規模病院に多いことが、日本アルトマーク社が8月30日に公表した調査結果から明らかになった。半年前の算定病院数から大きな変動がないこともわかり、同社は、これら点数の算定要件である医師、看護師、薬剤師による専従の緩和ケアチームの設置が難しいことが算定病院数伸び悩みの要因ではないか、と推測している。
調査では緩和ケア関連の【緩和ケア病棟入院料】、【緩和ケア診療加算】、【外来緩和ケア管理料】の2017年6月時点の算定状況を把握した。各点数の算定病院数は、【緩和ケア病棟入院料】387病院(一般病院全体に占める構成比:5.2%)、【緩和ケア診療加算】233病院(3.2%)、【外来緩和ケア管理料】220病院(3.0%)。専門的ながん医療を提供する「がん診療連携拠点病院」(440病院)に絞ると、【緩和ケア病棟入院料】107病院(構成比24.3%)、【緩和ケア診療加算】186病院(42.3%)、【外来緩和ケア管理料】176病院(40.0%)となった。一般病院全体で見た場合の算定割合は3点数とも1割に満たないが、がん診療連携拠点病院では、4割以上が【緩和ケア診療加算】、【外来緩和ケア管理料】を算定していた(参照)。
算定病院の平均病床数は、【緩和ケア病棟入院料】345床、【緩和ケア診療加算】656床、【外来緩和ケア管理料】658床で、【緩和ケア診療加算】と【外来緩和ケア管理料】は、500床を超える大規模病院での算定が多い。地域別の分析では、【緩和ケア診療加算】は秋田県と富山県、【外来緩和ケア管理料】は秋田県、富山県、香川県に算定病院がないことや、九州地方は【緩和ケア病棟入院料】の人口10万人当たり算定病院数が多いことがわかった(参照)。
3点数のうち1つでも算定している病院は、564病院。1つだけ算定している点数で最も多かったのは【緩和ケア病棟入院料】(327病院)だった。2つ算定している場合の組み合わせで最も多かったのは【緩和ケア診療加算】と【外来緩和ケア管理料】で、400床以上では151病院、400床未満では11病院が算定していた。3つすべてを算定していたのは54病院で、内訳は400床以上が50病院、400床未満が4病院。3点数とも、半年前の2016年12月から算定病院数に大きな増減はなかった(参照)。
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