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○新規技術(10月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案) 別紙1 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00061.html
出典情報 先進医療会議(第125回 10/5)《厚生労働省》
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別紙1-1
様式第5号

先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:タミバロテン内服投与及びペムブロリズマブ静脈内投与の併用療法
適応症:二次治療抵抗性膵臓癌
内容:
(先進性)
膵癌に特徴的な病理像として高度な癌関連線維芽細胞(CAF)と線維性間質の増生が挙げ
られる。膵癌間質の主要な構成成分である CAF の機能として、多様な増殖因子やサイトカ
イン・ケモカインを分泌することによりがんの悪性化、転移、血管新生、化学療法抵抗性を
促進するため、CAF の増生は、① 間質圧上昇に伴う血管の虚脱を誘導し、癌細胞やリンパ
球等の標的細胞への治療薬の到達を阻むこと(薬剤送達の阻害)
、② マクロファージやリン
パ球の形質変化を誘導し、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)感受性を低下させることが
報告されている。そのため、CAF や結合組織を除去する治療法の開発が進められてきたが、
CAF 阻害剤による CAF 増殖抑制や CAF を除去することを目的とした臨床試験では、む
しろ癌を促進させてしまう結果となってしまった。これまでは CAF の機能は一様であり、
癌促進的な機能を有するものと考えられていたが、最近の 1 細胞解析により、CAF は多様
な細胞の集団であることが明らかとなり、これまで実施されてきた臨床試験のように一
様に CAF を阻害又は除去する戦略が適切でないことが示唆された。
申請者等は、癌抑制性 CAF の初の機能性マーカーとして、線維芽細胞に特異的な Meflin
を同定し、非臨床試験における結果から、タミバロテン(AM80)が CAF の形質だけでな
く、腫瘍免疫環境も変化させ、ICI の抗腫瘍効果も増強させる効果を確認した。膵癌は予後
が非常に悪く、二次治療以降の適切な治療法が存在していないこと、また、膵癌は主要な難
治癌の中で間質(主要な構成成分は CAF である)の割合が最も高く AM80 による効果が
最も期待される。本研究では、CAF の形質を変換することで、ICI 不応性の膵癌を感受性
に変換させる新規治療法の開発を目指す。
(概要)
本臨床研究では、二次治療抵抗性膵癌患者を対象に AM80 と ICI であるペムブロリズ
マブ(遺伝子組換え)
(以下、単に「ペムブロリズマブ」という)を併用投与した時の有効性
を探索的に評価し、安全性を確認することを目的とする。
本臨床研究では、二次治療抵抗性(2 種類の標準的治療に対して抵抗性)又は不耐の治癒
切除不能膵癌患者を対象とし、全ての対象者に非盲検下で AM80 として 6mg/m2 を 1 日
2 回に分けて、原則、ペムブロリズマブの投与 1 週間前から投与開始前まで 7 日間経口投
与し、AM80 の投与終了後、ペムブロリズマブとして 1 回 200mg を、原則、3 週間間隔
で点滴静注する。原則、3 週間(21 日間)を 1 コースとし、病勢進行、もしくは許容でき
ない有害事象等が発現するまで、最大 8 コース継続する。
主要評価項目は、奏効率(RR)であり、副次評価項目として、無増悪生存期間(PFS)

全生存期間(OS)
、奏効期間(DOR)及び完全奏効期間、病勢制御率(DCR)である。
(効果)
本臨床研究により腫瘍縮小効果が期待でき、生存期間の延長が期待される。

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