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資料1-2 指摘事項に対する回答 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35422.html
出典情報 先進医療会議 先進医療技術審査部会(第154回 10/12)《厚生労働省》
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先進医療審査の事前照会事項に対する回答2

先進医療技術名: 自家骨髄単核球移植による下肢血管再生治療
2023 年 9 月 29 日
所属・氏名:京都府立医科大学附属病院 循環器内科
教授 的場 聖明

※照会に伴い変更が生じた場合は、関係書類も併せて修正して下さい。
1.本研究の主要評価項目は「前後変化」ですが、当初的に単群で試験を開始する際には「ヒストリカ
ルコントロールとの比較」が主な論点となり、単群での実施が認められた経緯があると思います。
本研究での結果は、既存療法に反応しない、一般的に大切断が避けられない CLI と解釈される
SPP30 未満の症例を登録基準として SPP の前後変化にて全例解析でポジティブ、特に SPP20 以上
の方が良好な結果を示し、20 未満の方は有意な効果を示せなかったと認識します。
この成績を従来の既存療法に反応しない方のヒストリカルコントロールと比較した結果が本文中に
明確には記載されていないと思いますので、本研究と同じエンドポイント(同じ期間、同じ測定値)につ
いて、既存療法のヒストリカルコントロールにおける「SPP30 未満例」あるいは「SPP20 以上 30 未満の
例」の値を調査頂き、その値と本研究の値を比較検討した結果をご教示ください。
【回答】
(本試験の意義と結果、サブグループ解析の解釈について)
本試験は、従来の標準治療にもかかわらず改善が乏しいバージャー病に伴う重症虚血肢患者に対す
る本血管再生治療の臨床的有効性を評価する目的に前向き介入試験として施行されました。先進医療
A とは異なり、対象登録患者の状態や重症度を客観的指標である SPP(皮膚灌流圧)値で評価し、虚血
症状の改善や切断回避のために血流の回復が絶対的に必要な患者を対象とするため、「登録時 SPP
値:30mmHg 未満」という基準を登録基準に含めました。この試験では、SPP 値、経皮的酸素分圧
(TcPO2)値、安静時疼痛スケールおよび CT による患肢の膝下血管容積が移植後 180 日目までに有意
に改善し、他のいくつかの副次的評価項目も改善する傾向があることが示されました。我々は、自家骨
髄単核球細胞(BM-MNC)移植による末梢血管新生が側副血管の発達をもたらし、膝下の動脈血管容
積と末梢灌流を改善したと考えております。またサブグループ解析によると、ベースラインの SPP と
Fontaine 分類にかかわらず、移植後に SPP 値が改善する傾向があり、特にベースラインの SPP が
20mmHg 以上またはベースラインの Fontaine 分類が III と IV の群で顕著でした。SPP<20mmHg の群に
おいても、180 日目の SPP 値の改善は有意ではなかったものの、改善する強い傾向は示されております
(95%CI: 3.0-52.6, P value=0.031)。この結果は SPP<20mmHg の被験者数が少なかったことが影響してい
ると考え、被験者が増えれば有意な傾向が示されるのではないかと考えております。
(標準治療のヒストリカルデータとの比較について)
Ota, et al1)は、血行再建術や薬物治療を含む標準治療が施行されているバージャー病患者 110 人の
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