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資料3-12 田中先生提出資料 (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00333.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第75回 3/9)《厚生労働省》 |
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する active follow up 法を用いた自治体は、佐賀県、徳島県、吹田市であった。また、②残
りの自治体(保健所)は、20 日致死率を算出可能な観察終了日の時点で医療機関等から死
亡情報の報告が無かった対象者を、観察終了時点で生きていたとみなす passive follow up 法
を用いた。
参加各自治体は、こうして得られた致死者の診断日を対象者の診断期間に対応させ、かつ
診断日から死亡日までの期間が 20 日以内の者を特定し、各自治体の対象者における 20 日
致死率を算出した。その後、参加各自治体は、算出に用いた分母・分子を事務局(藤井寺保
健所)に送付した。事務局は得られた算定値を合算して、年齢階級別致死率を算出した。
[結果]
・2022 年 1 月診断の対象者数は、40 歳代 8,788 人、50 歳代 5,631 人、60 歳代 3,231 人、
70 歳代 2,245 人、80 歳代 1,313 人、90 歳以上 613 人であった(表1)
。
・20 日致死率は、40 歳代 0.0228%(2/8788)
、50 歳代 0.0178%(1/5631)、60 歳代 0.124%
(4/3231)
、70 歳代 0.579%(13/2245)、
80 歳代 2.13%(28/1313)、
90 歳以上 3.43%(21/613)
であった(表2)
。
[考察]
2022 年 1 月に国内で診断された新規陽性者の大部分は、オミクロン株感染者である。こ
の集団の 40 歳から 59 歳の 20 日致死率は 0.1%未満と、極めて低値であった。また、60 歳
代で 0.124%、70 歳代でも 0.579%と、1%未満であった。一方、80 歳代では 2.13%、90 歳
以上では 3.43%と 79 歳以下に比べて高くなった。
この時期の 80 歳以上の新規感染者の多くは、高齢者施設の入所者である。80 歳以上の高
齢者施設入所者は、同年代の自宅に居住する者に比べて ADL が低いため誤嚥性肺炎を起こ
しやすく、また重症化した時に延命措置を希望しない者の割合が高いと考えられる。このた
め、今回の 80 歳以上の新規陽性者における致死率は、一般の 80 歳以上の者がオミクロン
株に感染した場合に想定される致死率よりも、高めに算出されていると推察される。
本調査の限界として、無症状・軽症の感染者が診断される機会が、22 年 1 月中旬ごろか
らの陽性者数の急増により全国で低下したと考えられるため、無症状・軽症の新規陽性者数
の過小評価が起き、その結果、集計された致死率を過大評価した可能性が考えられる。
今後、致死率の定義を揃えて第5波と比較する。また、2022 年2月以後に診断された新
規陽性者の致死率を継続して算出し、その経時変化をモニタリングする。
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りの自治体(保健所)は、20 日致死率を算出可能な観察終了日の時点で医療機関等から死
亡情報の報告が無かった対象者を、観察終了時点で生きていたとみなす passive follow up 法
を用いた。
参加各自治体は、こうして得られた致死者の診断日を対象者の診断期間に対応させ、かつ
診断日から死亡日までの期間が 20 日以内の者を特定し、各自治体の対象者における 20 日
致死率を算出した。その後、参加各自治体は、算出に用いた分母・分子を事務局(藤井寺保
健所)に送付した。事務局は得られた算定値を合算して、年齢階級別致死率を算出した。
[結果]
・2022 年 1 月診断の対象者数は、40 歳代 8,788 人、50 歳代 5,631 人、60 歳代 3,231 人、
70 歳代 2,245 人、80 歳代 1,313 人、90 歳以上 613 人であった(表1)
。
・20 日致死率は、40 歳代 0.0228%(2/8788)
、50 歳代 0.0178%(1/5631)、60 歳代 0.124%
(4/3231)
、70 歳代 0.579%(13/2245)、
80 歳代 2.13%(28/1313)、
90 歳以上 3.43%(21/613)
であった(表2)
。
[考察]
2022 年 1 月に国内で診断された新規陽性者の大部分は、オミクロン株感染者である。こ
の集団の 40 歳から 59 歳の 20 日致死率は 0.1%未満と、極めて低値であった。また、60 歳
代で 0.124%、70 歳代でも 0.579%と、1%未満であった。一方、80 歳代では 2.13%、90 歳
以上では 3.43%と 79 歳以下に比べて高くなった。
この時期の 80 歳以上の新規感染者の多くは、高齢者施設の入所者である。80 歳以上の高
齢者施設入所者は、同年代の自宅に居住する者に比べて ADL が低いため誤嚥性肺炎を起こ
しやすく、また重症化した時に延命措置を希望しない者の割合が高いと考えられる。このた
め、今回の 80 歳以上の新規陽性者における致死率は、一般の 80 歳以上の者がオミクロン
株に感染した場合に想定される致死率よりも、高めに算出されていると推察される。
本調査の限界として、無症状・軽症の感染者が診断される機会が、22 年 1 月中旬ごろか
らの陽性者数の急増により全国で低下したと考えられるため、無症状・軽症の新規陽性者数
の過小評価が起き、その結果、集計された致死率を過大評価した可能性が考えられる。
今後、致死率の定義を揃えて第5波と比較する。また、2022 年2月以後に診断された新
規陽性者の致死率を継続して算出し、その経時変化をモニタリングする。
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