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薬剤誘発性高血圧に対するプレアボイド報告のお願い(依頼) (3 ページ)

公開元URL https://www.jshp.or.jp/content/2024/0502-7.pdf
出典情報 薬剤誘発性高血圧に対するプレアボイド報告のお願い(依頼)(5/2)《日本病院薬剤師会》
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薬剤誘発性高血圧に対するプレアボイド報告事例の例示
(注:事例は実際の報告を参考に内容を改変したものです)
◆様式 1(副作用の重篤化回避)

レンバチニブによる重大な副作用につながる血圧上昇について重篤化を回避し,治療の
継続ができた事例
【患者情報】60 歳代,女性,肝機能障害(-)
,腎機能障害(-)
【既 往 歴】甲状腺乳頭がん,高血圧
【臨床経過と薬剤師の対応】
甲状腺乳頭がんに対してレンバチニブを導入した患者。高血圧の既往があり,降圧剤(ア
ムロジピン 2.5 mg/day,アジルサルタン 20 mg/day)を服用していた。化学療法開始にあた
り病棟担当の薬剤師より重大な副作用として高血圧症が報告されているため,退院後にも
この化学療法中は家庭血圧測定を実施するように指導した。
開始後 21 日目に,薬剤師外来にて副作用評価を実施し,自宅血圧が朝:140-150/90 mmHg
(収縮期血圧/拡張期血圧),夕:160-170/90-100 mmHg で推移していることを確認した。
血圧測定は,朝は起床後 1 時間以内,夕は就寝直前に行っていることを聴取し,測定タイミ
ングに問題はないことを確認した。開始後 7 日目の自宅血圧は朝,夕ともに 130-140/80-90
mmHg であったことから,レンバチニブによる血圧上昇を疑い,医師へレンバチニブの休
薬,および降圧剤の増量(アムロジピン 2.5 mg/day→5 mg/day,アジルサルタン 20 mg/day→40
mg/day)を提案した。薬剤師の提案通り,レンバチニブ休薬・降圧剤増量となった。
1 週間後に来院した際に薬剤師が再度面談し,自宅血圧が朝:120-130/80 mmHg,夕:130/7080 mmHg に低下したことを確認した。治療再開は可能と考え,医師と協議の上,降圧剤は
同用量で継続し,レンバチニブを減量(24 mg/day→20 mg/day)して翌日から再開すること
となった。
【アウトカム】
レンバチニブによる血圧上昇に対してレンバチニブの休薬,降圧剤増量を医師へ提案し
た結果,副作用の重篤化回避,治療再開・継続につながった。